石田義昭の『飲食店 繁盛ダネ!』 その四
メニューの構成と分析


メ二ューを構成するときにも当然コンセプトを意識して創りあげていかなくてはなりません。店作りがしっかりできていればいるほど、お客様はイメージを頭の中に創りあげてテーブルに座ることになるからです。店舗イメージに合ったメニューにするためには、コンセプトを表現しているメニュー構成にしなくてはいけないということです。
簡単に言いますと【海辺の気楽なレストラン】がコンセプトならシーフード中心で頼み易いプライスゾーンのメニューになっているということです。

メ二ューを構成する上で大切なポイントは、《定番》、《看板》、《金庫番》と呼ばれる商品がバランスよく配置されていることです。

《定番》とは定番商品のことで業種業態によってあたりまえにあるもののことです。ファミリーレストランならハンバーグ、焼き鳥屋ならつくね、居酒屋なら生ビール、つまりお客様が業種業態にもっているあってあたりまえというイメージの商品のことです。
《看板》とは看板商品のことで、その店でしか食べられないようなもの、また誰もが珍しいと感じたり、圧倒的に安いと感じるお得な商品、そしてなにより美味しいと評判になるようなもののことをいいます。
《金庫番》とはしっかり他の商品より利益を取れる商品のことです。定番商品は店が目指す粗利益を基準にして平均的な原価で一品ができあがるように創るものですが、看板商品はお客様を呼び込むような商品ですから原価が基準より高くても良いと覚悟して作るものです。そのため看板商品がたくさん出るのは予想できますから、原価率が上がるのを防ぐために金庫番が必要なのです。

定番商品ばかりでは、特徴の無いつまらないメニューになってしまいますし、看板商品がたくさんでは、繁盛すれど利益なしの店になってしまいます、金庫番ばかりではお客様が満足できない客足の弱い店になってしまうのです。ですからこれらの商品がバランス良く、構成されている必要があります。
だからと言って開店前から完璧にバランス良く構成するのは無理があります。そこで、これなら良かろうと思われる暫定的なメニューでスタートし、半年程のデータから分析を行い、構成をしなおして完璧に近づける努力をするわけです。
また季節ごとにデータは違ってくる場合がありますから、分析はその後も定期的に行ってメニュー構成は変える必要があります。では分析はどのようにするのでしょうか、次回は分析の方法についてです。