『飲食店 繁盛ダネ!』 その五

商品構成のABC分析


 飲食店を開業した後、半年後にメ二ュー分析を行います。分析の方法として「ABC分析」というものがあります。
「ABC分析」とは、各商品の売上貢献度や数量の全体に対するポジショニング、そして(租)利益貢献度などを三つのグループに分けて分析することをいいます。
通常一ヶ月分の数値が必要となるので毎日の商品杯数(出数)をとっておかなくてはなりません。レジに機能がない場合は、伝票から拾って杯数表につけます。
ここでは、最も重要と思われる売上貢献度について述べます。

  表の作成に関しては、縦軸に各商品を個別の売上高(販売金額)を算出し、高い順に並べます。一方、横軸に①単価②販売個数③売上高④売上貢献率⑤売上貢献率累計を並べます。④は全体に占める個別商品の売上の割合で計算方法は(個別商品売上高÷全体売上)となります。それを上位から順に足して算出するのが⑤です。最後の累計値は100%です。

 全ての累計値を記入したら、累計値が75%と95%に達した商品のところで区切ります。これで分析表の完成です。75%未満の商品をA部門、75%~95%未満をB部門、95%~100%をC部門とします。一般的にはABC分析の各部門が三等分されるようなバランスの商品構成(メニュー)が良いとされています。
Aに分類された商品は原則的には今後も残していく商品です。品を切らさないようにし、商品力を高める努力をします。ただし、多すぎる場合は看板商品が無いという証拠なので開発を考えなければなりません。
B部門の商品は育てる工夫をしますが、Aとの関連性がなかったり、また、原価率が高かったり作業手順が複雑な場合は改定の対象となります。
C部門の商品は存続を含めた見直しの対象となります。この部門が多い場合は、作業(調理)が煩雑になっている可能性があるため早急に商品変更しないと人件費にも影響を与えます。
さらにABC分析は価格改定にもうまく利用することができます。売れ筋商品であるAの上位を避けて、Aの下位とBの上位だけを値上げするのは上手なテクニックです。この位置の商品は意外とお客様の盲点であるため、値上げに気づきにくいのです。
最後に商品動向は季節により異なりますので、年3~4回は行うのがよいでしょう。