『飲食店 繁盛ダネ!』 その十四

誘導機能1

 埼玉のある街道を車で走っていた時のこと、重要文化財そば「○○蕎麦」という看板を見かけました、同乗していた社長と「こんなところにすごい蕎麦がありますね。こりゃ帰りに必ず寄りましょう」という話になったのですが、時間の都合で行くことができませんでした。しかし、よく考えてみると蕎麦が重要文化財に指定された記憶が私にはありませんでした。
 重要文化財の近くにある蕎麦屋が“そば”と“側”を引っ掛けているのだと後で二人で合点して笑いあったのは最近のことです。つい先日は飲食店ではありませんが「区内町御用達○○米店」という店にも出会いました。ちょっと笑えますよね。
 飲食店商売を考える人は日本で最初の飲食店コンサルタント「平賀源内」(売れない鰻屋に土用の丑の日と看板をかかげさせたのはご存知の方もいらっしゃいますよね)以来、自分の店をいかに気がついてもらうかを考えるのはあたりまえのことになっています。ところがこのことを未だに解っていないお店もたくさんあるので驚いてしまいます。決して奇をてらったものがよいわけではありませんが自店をもう少し見直してもらいたいものです。
【誘導機能】
 お客様が自分の店にまずは気がついていただくこと、そのための機能を店は持っていなくてはなりません。なぜなら店は常に新規のお客様を獲得していかなければ成り立たないからです。オープンした時は必要以上に話題になりますし、知り合いも来店してくれ、場合によってはお客様を紹介してくださいます。ところが一年もすればその方々は徐々に足が遠のき、気がつけば固定客の数が減少して売り上げは頭打ちか減ることになるのです。そのことを誘導機能を持っている店なら自然と補えるのです。
 最初に考えることは視認性です。(あ、この視認性という言葉は飲食店調査で日経の記者さんに、お客様が店を認識できる距離やカラー、大きさ、さらに看板などの総合的な評価を言葉ひとつで表現しようとして、思いつきで私がこの分野に持ち込んだものです。最近はいろんな方が使っていらっしゃるので嬉しいですね)
 自店の中心となる通行量が歩行者なのか車両なのか十分見極めたうえで、歩行者なら50m左右両方向、車両なら100から200メートル左右両方向からの自店を判断してみます。
 この判断の仕方は次回にいたしましょう。