『飲食店 繁盛ダネ!』 その二十二

先月、株式会社丸紅食器(埼玉県川越)さんの展示会で「経営相談会」と「フードコーディネーター」の「料理実演会」をFBAも協力して4日間行ってきました。
来場者も多数お見えになり、当社の井上奈々子先生、吉沢尚志先生の「料理実演会」では立見が出るほど盛況でした。
私も合間に〔揚げ方によりこんなに違う〝鶏のから揚げ〟〕を試食しましたが、確かにハッキリとした味の違いを感じてオドロイてしまいました。
努力している人、お店はこんなちょっとの違う方法を見つけて他店との大きな差別化をしてるんだろうなと、改めて思った瞬間でした。

FC(フランチャイズ)化は簡単?

さて、そんな中、私の「経営相談会」にも次々に飲食店の方が来られましたが、その中に「自店をFC化したい」という相談がありました。
このFC化したいという相談は、日頃もしょっちゅうと言ってよい程受ける相談です。
ただし、ほとんどの方が勘違いしています。
ちょっと繁盛したり、利益が出ていたり、中には繁盛もしていないのに「FCビジネス」で 〝いっちょ儲けてやろう〟という単純な発想でFC本部を立ち上げる気になっているのです。
確かに創りあげた成功のノウハウを売り物にして更なる成功を得るのがFCだと言えますから、1店舗の成功をFCにという気持ちは理解できます。
しかし、そのノウハウにすがる加盟者の事を念頭に置いた「幸せを売るビジネス」であることも事実ですから、安易に発足してはならないのです。
ましてや繁盛もしていない、利益も出ていない、ひどい例ではまだ店舗もないのに発想だけで新規開店とFC本部を同時進行させながらFC化するなどという考えは、私に言わせれば〔サギ行為〕です。加盟した相手が繁盛すれば、“結果オーライ”とでも言うのでしょうか。
繁盛した自店の分析がしっかりされていて、商品の独自性や個別化が確認され、商標商号などが加盟者を守る武器になり得るのか、店創りがオペレーションを含め確立されているのか、法に則った開示義務をしっかり覚悟できているのか、競合に打ち勝つPB(プライベートブランド)商品があるか、または開発能力があるのか、加盟者がFCブランドを守れるよう教育するシステムがあるか、または計画を有しているか等、FC化に必要なことが沢山あります。
これらを丁寧にお話しすると、大抵の方は「そんな事ははじめてから徐々に作ればいいんじゃないですか」などと、のたまうのです。「その言葉が通用したのは30~40年前の事ですよ」と私は言います。
今はFCのガイドラインも出来ていて、それに沿ったきちんとした機能のない本部は加盟社が集まらないのです。加盟希望者も一所懸命勉強していて昔に比べて随分と慎重になったということです。
得体の知れない〔FCビジネス支援会社〕もチラホラ現れており、経営者を安易に乗せて募集を始めるなどという例も見かけますが、ゆめゆめ楽ちん乗りしないよう気をつけて下さい。