石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その四十三

繁盛店の忘新年会の時期に店舗に訪問するのはホントにいいものです。

ひっきりなしに予約のお客様から電話が入って、なんだかこちらも楽しくなってきます。

ただそんな繁盛店でも最近は新年会は減ってきているのが現状のようです。

その分普段を底上げしないといけないのはたいへんです。

でも、どうも上手にやっているお店は特別なことを考えていると言うよりは普通のことをちょっと工夫したり視点を変えて見て成功している場合が多いような気がします。

 

売り方上手2

魯山人が「食器は料理の着物である」といったのは有名な話ですが、確かに食器がディスプレイだとすれば、商品の価値はその飾り方で上がったり下がったりするものです。

照明や内装も総合的な価値アップディスプレイとも言えるわけですね。

そういえば、我々の業界ではないですが、ブックオフのパートから社長まで上り積めた橋本社長はパート時代、店内の照明を明るく代えるというアイデアを提案したそうです、古本を陰気な照明で売っているとイメージが悪くなるのとお客様も居心地が良くないですよね。

古本だからと言って、節約を優先させていたら、売れ行きは今ほどなかったかもしれませんね。

橋本社長は他にも私達がはっとするアイデアを出されています。

“本買います”を“本お売りください”と変えたのもその一つです。

意味は同じですが、言葉の使い方ひとつで、本を持ち込む人が飛躍的に増えたといいます。

“言葉の使い方ひとつで”と言えば、我々の接客の中でも上手くそれを使いこなしている人に時々出会います。

《お客さま、今日のおすすめの中で「姫竹の子」、これは私が味見して最高だったですよ。もう2人分しか残ってませんけどお持ちしましょうか。旬ですしね。》

これなんか凄いですよね、[今日のおすすめ]は商品の中で特別なもの、[私が味見して・・]は実感臨場感、[2人分しか・・]は制限法(脅し効果)、[お持ちしましょう]は推定承諾法、[旬ですしね]はブロフクロージング。

これだけ使われれば、頼んじゃうでしょうね。

頼んだのは実は石田です。

去年の春先でしたが、今年も気持ちよく引っかかるんでしょうね。