石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その九十二

先月、名古屋のぐるなび大学の戦略イベントで、日経レストランの元編集長 遠山氏と午前午後で講演を行ってきました。

遠山氏とは久しぶりだったので、話しこんでしまいましたが、きっと迷惑だったのではないかなと反省です。

会場は200人ほどの方でいっぱいでした。

終わって名刺交換に多くの方が来てくださいましたが、店長さんが多いのにびっくりしました。

ぐるなび大学の稲田氏によると「皆さん、会社に強制されたからではなく、自発的にいらっしゃっているようです」とのこと、学習意欲が高い方が増えているんですね。

石田が業界入ったころは、「めんどうくさいよ、勉強なんか必要ないね」と言う方が大半だったような気がします。

でも考えて見れば、今残って活躍している方は勉強していた方々ですねぇ・・・。

 

『勉強は終りがありません』

下を向いていれば方向が見えなくなり、顔をあげれば勉強しなければならないことが山積みというのが、考えて見れば、仕事・商売というものかもしれません。

「これはどんなもの?」

「え~と、失礼します」

店内でスタッフに訊ねたところ、彼女は私のメニューを手元に取りながら、私が気がつかなかったメニューブック中の但し書きを読み始めました。

もじもじしたり、解らず聞きに戻ったり、そこに書いてありますと邪険にされるよりはましでも、これはこれで変でしょう。

店の商品知識ぐらいは前もって教えておいて貰いたいものです。

まあそんな手間が人件費にも影響があると考えると惜しくてできないものかもしれませんが、お客としては要望として残ります。

最近はハンディタイプのオーダーエントリーシステムを採用しているところが多いようですが、これも新人が使いこなせない状態で、お客様が犠牲になっているケースを見かけたりします。

「学ぶより、慣れろ」をお客様で実践するのはいかがなものかと思います。

やはりお店でoff.j.tを行うべきでしょう。

中国人旅行者が増え、自然と店にもやってくる中国人が増えている地域もあり、メニューを中国語で読めるように勉強して作ったお店もあります。

デパートなどは従業員教育に中国語を取り入れるのはもはや当たり前です。

TPPが騒がれていますが、外食産業にどれだけ影響が出てくるのかFBAにも週刊誌からの取材が入ってくる状況です。

価格に対する対応も消費税の動向とともに情報取得など勉強しておかなくてはいけませんね。

更にTPP の陰に隠れて日本には移民問題も控えています。

労働力の不足による外国人労働者の雇用も身近になってきているのです。

あなたのお店に外国人が普通にやって来る日が遠くないのです。

日本にいるんだから日本語で話せ、などと言っていたら昔の勉強しなかったコックやサービスマンと同じになってしまいますね。

そう言えば、25~6年前の若かった頃、彼らは、

「明日は明日の風が吹く、俺は運がいいから大丈夫」、

「面白おかしく生きなきゃ人生つまらない、勉強なんてしていたら時間がもったいない」、

「人にガタガタ言われたくないからコックになったんだ、手に職つければどこに行っても生きていける」、

「飲食店はどこに行ってもあるから、どこでも仕事はあるよ」、

「勉強したくないからこの世界に入ったんだ」なんて言うことを時折言っていましたね。

そう言っていた人の大半が浪人生活か消息不明、仕事のある方も今の若者と混じって自給900円で毎月を過ごしている方も少なくありません。

きっと今会ったら違った言葉が出るかもしれませんね。

な~んて、つぶやいたら台所から「そういう人は今でも同じこと言っているのよ。だから今困っているんじゃない」と・・・。

なるほど、それは言えてるなぁと思って笑顔で顔向けたら、

「あなたも気をつけてね。勉強している??」だって。

あぁ~勉強、勉強。