石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その九十三
3.11の震災から一年が過ぎました。
被災者の方はもちろん、最近はあまり報道されませんが、私たちの業界とは縁の深い生産者の方々はどうされているのか気になるところです。
読売新聞の〔編集手帳〕のなかに寺山修二氏の詩の一部が紹介されていました。
《時計の針がすすめば時間となり、針が戻れば思い出になる》と。
針が進むことなく思い出にもできない人々が沢山いらっしゃるのは確かな事です。
ちょうど一年、また新たな気持で被災された方々の事を考えたいですね。
石田も少しでもと思い、販売の協力をしていますが、微力でしかありません。
皆さんもあの日を忘れずに考えていただけると嬉しいですね。
『マジックは長続きしない』
「先生、どうかと思うことがあるんですけど聞いてもいいですか?」
顧問店のミーティングで若手のスタッフが尋ねてきました。
「先日、友人と300円均一の居酒屋で飲んだんですけど、結局ひとり2500円ぐらいになったので、レシートを見たら席料とあって300円取られているんです。
お通しも300円で、座っただけで600円取られていたんですけど、ありなんですか?」
4人で入ったそうですから座ってそのテーブルは2400円、ただもらいみたいなものですね。
昔からメニューの価格を安くしてサービス料を10%とったり、入場料をとったり、焼酎無料で料理を割高にとったり、お客様は善人、お人好しが以外と多いですから、入口の安い表示や宣伝にノリ易いものです。
客寄せとしてはいい手段なのでしょう。
ただそれらの店が長続きしているかというと決してそうではありません。
メニューを見ても安い、POPなどの表示も安い、お通しや席料・サービス料といったものは書いていないか、あっても目立たないような表示の仕方でまるでマジックです。
マジックはタネが解るとちっとも面白くありません。
お店のマジック的手段は判ると怒りに変わる場合もありますね。
前述の若者はこう言っていました。
「席料なんてどこにも書いてませんでしたよ。
説明もなかったし。
安い店なんだと思って、調子に乗って沢山頼んで普通の金額になったというならまだしも、なんだか知らないうちに上乗せの金額がついているなんて、だまされた気分でした。
二度とあんな店行きません。」
やはり適正価格でそれ以上の付加価値を感じていただける商品や接客サービスをタイヘンですが心がけていきたいものです。