石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その九十四

毎年の事ながら、今年もお花見ぶらぶら散歩で事務所の近くの名所へ出かけました。

これまた毎年見かける宴の光景を見て、

「まだ、ちょいと寒いのに日本人は桜の下で飲むのが好きだなあ。用意も大変、片づけも大変、店で飲めばいいのに…」

と桜の下で飲むという風情は良いと思いながら、億劫で十年もやっていない私は恨めしげに言ったのでした。

この季節、花見はいいのですが、その影響で売り上げが落ちる飲食店も少なくありません。

特に名所の周辺店には影響が出るようですね。

影響と言えば売上が落ちるだけでなく、別の困ったこともあるようなのです・・・

 

『我慢も商売の基本か飲食店』

「参りましたよ、一杯も飲まずに床に○○吐いて、謝りもしないで帰って行ったお客がいたんですよ。怒りたかったですが、一緒のお客さんは少し飲んでいただいていたし、文句もグッと我慢しました。」

そのお客はお花見で相当に飲んできたらしく、その流れで店にやってきたようです。

確かに店主の身になれば「弱いならそこまで飲むな!」と言いたいところですが手荒なことはできませんね。

ただし、そこまで酔っている客は何をしでかすかわかりません。

壁に穴をあける、トイレに何か詰まらせる、モノをこわすなど、後から発見したのではどうにもなりません。

本人の周辺、トイレなど点検をしっかりして、帰ってもらいましょう。

できれば連れの方に本人の住所やTELなど聞いておけるといいですね。

世間にはお酒に強い酒豪と呼ばれる方がいるのは確かですが、最近は少なくなったようで、弱い方が歓送迎会や忘年会、お花見など、特別な環境になると雰囲気で飲み過ぎてしまい、思わぬ事故につながるというケースが増えているのかもしれません。

そんななか、お酒を出す飲食店でも事件がたびたび起きています。

従業員が殴られたり、客同士が警察沙汰になったり、理性を失わせる酒になっているわけです。

そのお酒を出して商売をしている以上、責任がゼロとは言えないのが飲食店ですから、注意を払うのはもちろん、事が起きた時にはグッと我慢で処理にあたらなければ仕方ありませんね。

「最近は皆、弱すぎるんだよ、鍛え方が足りないんだ」などと言う方もいますが、そういう問題ではありませんよね。

酒豪のことを欧米では「スリーボトルマン」中国では「海量(ハイリアン)」と言うそうですが、酒離れが深刻になるなか、酒瓶三本男や海の量ほど飲む男(あ、女も)は少なくなっていくのでしょうね。

店でガブガブ飲んでくれて、事件も起きないのが一番ですが、そういう未来は想像できません。

やはり我慢と冷静な対処が肝心ですね。