石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その九十七

先日、日経BP社の「接客セミナー」の講師に行ってきました。

130人もの方々に来ていただき大変感謝です。

勉強をしないといけないと考える方がたくさんいるんだなぁと思うと嬉しくなりました。

同時にそれだけ厳しい業界になったんだなと実感した石田でした。

その帰り道、たまたま寄った駅のスーパーで考えさせられる出来事がありました。

店内に入ってすぐ、レジ付近で大きな怒鳴り声が聞こえてきたのです。

目をやると男がレジの女性に向かって何か文句を言い続けていました。

スーツを着た一見、会社員風のまともな男性です。

聞いていると、どうも買った商品の扱い方に文句があるようです。

「冷たいビール・牛乳と一緒に暖かい総菜を一緒に入れろと言うのか」と。

店員の女性は「一緒にしてもよろしいですか?」と聞いたようなのですが、男の主張は「そんなこと聞くまでもないだろう、気を利かせて最初から別々にするべきだ」ということのようでした。

確かに今の日本のサービスはお客様第一主義が浸透した関係で、厳しく見られ、誉められるべき事さえ“当たり前”になっていることが見受けられます。

このケースでも、私としては店員さんのうつむく姿を見ていると気の毒になってしまいました。

店員さんの対応がそこまで怒鳴られるほどではないと思ったからです。

人それぞれとはいえ、普通の事をやっていてもクレームになる時代とは・・・。

 

『お客さまに敬意を、ただし恐れることなかれ』

「先生、お客さんから手紙が来たんですよ。」

顧問店のミーティングで奥様の口からこんな言葉でクレームの話を伺いました。

業態はレストランですから、様々なお客様が来店されます。

このクレームのお客様は幼児を連れたご夫婦だったようです。

内容を聞くと自分の子供がスタッフに注意をされたことに対するクレームでした。

周りのお客様が眉をひそめるような暴虐な騒ぎだてをする子供に注意をするのは、本来当たり前のことですが、一般的に多くのお店はなかなか注意できません。

ましてやスタッフは“君子危うきに近寄らず”を通すのが普通でしょう。

そこを考えるとかなり困った子供だったのでしょう。

実際、親は子供をほったらかし状態で、黙々と自分の食事をしていたということです。

おそらく他のお店では何も言われないのでしょう。

手紙の文面には「子供がうるさくすることが許せないのなら、最初から子供を断ればいいのだ」ということがあったそうです。

「その通り、最初からうるさくする子供だと分かれば、それを注意もしない困った親だとわかっていればお断りだい!でもちゃんとした親と良い子供は大歓迎なんだい!」と言いたい石田です。

ホント会って話したいですね。

ただ、その手紙には「返事は要りませんから住所も名前も書きません。2度と行きませんから、友達や知り合いにも行かない様に言うつもりです」と書いてあったそうです。

ちっ!

卑怯者!!