石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その102

事務所を出て骨董通りを渡る横断歩道に差し掛かった時です。

男性が一人椅子に座って行きゆく人たちをじっと見ながら手元の器具のボタンを押しています。

皆さんも目にしたことがあるかもしれません。そうです通行量調査ですね。

石田も昔、新規開店のための調査でよくやったものでした。

行政で資料を使わせていただける場合はとても助かりました。

暑い日も寒い日も、雨だろうが日差しが強かろうが、ただひたすら決められた時間、ボタンを押しつづけるのは結構たいへんでした。

交差点の場合は最大八方向の男女なんて、ピークでは一人で行うのは困難です。

最後は数字の羅列でしかないのですが、これがとても専門家にとっては役に立つのです。

心の中で「頑張ってね」とつぶやきながら通り過ぎました。

 

『既存のお店も調査が必要なことがある』

新規開店においては人口や通行量を、測らないまでも目視などで気にして調べるものです。

営業が始まるともう関係ないと気にしない方々が多いのですが、時代とともに環境は変わります。

大型施設などができれば、大きく通行量が変わりわかりやすいのですが、少しずつ変わるものは気がついたときは遅いのです。

競合店も小規模店が少しずつ周りにできると影響が小さく気にならないものですが、増加してきた時には売上などの数字に大きく現れるものです。

ですから、競合店調査などは必ずしなければいけないことです。

冷静に商品を比べ、圧倒的な強さを自らの店に感じることがあればいいのですが、そうでなければ影響が小さいからと安心していると、同じような店が増えてきたときは気がつくと随分落ちてきたなということになってしますのです。

相手の悪いところを見つけたら反面教師とし、良いところを見つけたら危機感を持って真似でもいいから取り入れ、それを更にブラッシュアップして差を広げなければ、地域一番には座っていられないのです。

また、競合調査だけでは片手落ちです。他店調査という地域とは関係ない優良店の調査も必要です。

社会におけるニーズ・流行・マインドというものは必ず自分の地域にもやってきます。

いち早くその情報を体感して、経営に生かしていくのも忘れないで欲しいものです。

体感といったのはパソコンを前にした情報だけでは想像の域を越えられないということをお分かりでない方もたまにいらっしゃると思ったからです。

是非、自分の足で調査という研究の時間を作っていただきたいものです。

では、また。