石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その108

遅い仕事の帰り、電池を買おうと駅前の100円ローソンに立ち寄りました。

初めて店内に入って「あら、こんなのも、あんなのも100円!?」

なんだか楽しくなっていろいろ買ってしまいました。

ラーメンにピラフ、カレー、スパゲティ、缶詰各種、100円の電池買うつもりが1000円を超えてしまいました。

「バカじゃないの、誰が食べるの!何が入ってるかわかったもんじゃないわよ!」

「ち、俺が食うために買ったんだ、添加じゃないぞ、天下のローソン馬鹿にすんなよ」

「あら、コンビニって、あなたの顧問先だっけ」

「・・・」

安いというのは購買意欲をそそるものなのですね。

さて飲食店は・・・。

 

『安ければ売れるは当たり前、でも安くても売れないがある』

商品の価格だけで商売をしているところは「安さの追求」のためのノウハウを死に物狂いで取り組んでいます。

安ければ売れるからです。

飲食店はどうでしょうか。

確かに安さを前面に出して成功しているように見えるお店もたくさんあります。

でも「うちは、お客さまが“安い”とよく言ってくださいます。

ただ最近どうも売上が芳しくありません。

前と違うんですよね。

何ででしょう?」という問いかけをよくいただきます。

そんな時、営業中の店舗に行くとほとんどの場合、ほころびが見えるものです。

スタッフの迎える声がない、笑顔がない、ところどころ清掃のヌケがある、電球が切れている、トイレのチェックがされていない、整理整頓がダメ、テーブル上の補充が不足、見送りが曖昧等々、キリがないほど見つかる場合もあります。

極めつけは商品の質が落ちているという場合もあります。

東商の講演で100円ショップのダイソーの矢野社長にこんな話を聞いたことがあります。

「調子がよくて安心していたら、全然売れなくなって本当に困ったことがあります。

どうしていいか分からず売り場で頭を抱えていたら、店の前を通るお客様が『ダメよ、こんなところで買っちゃ、安いだけでいい物なんかないのよ、粗悪品だから安いんだから』と言ってたんですよ。

100円が100円かそれ以下の価値しかないとイメージされていたんですね。

その後、原価を無視して品揃えをしました」。

我々飲食店は商品だけではなく前述した店の清掃や接客、雰囲気を含んで安く感じなければ“安い”とは言ってもらえないのです。

逆に価格が高くても総合的に安いと言ってもらうこともできる商売なんですね。

あ、ちなみにローソンのピラフと味噌ラーメンは私的には安かった。