石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その110

残念なニュースが連続して流れました。

アルバイト店員がツイッターなどのサイトに悪ふざけ写真を投稿して騒ぎになっているというものです。

ブロンコビリーのアルバイトが冷蔵ケースに寝そべる姿や、冷凍食材をかじって恥ずかしげもなく笑う丸源ラーメンの女子の写真は今もPCで確認できます。

コメントには店の商品を「いろいろパクッた」などと載せているのです。

バーガーキングでは在庫のパンの上に寝そべっている男子の姿。

各社ともに対応に追われました。

ブロンコビリーでは休業して衛生面の総点検、もちろん各社本人への処分とお客様への広報などなど。

他業界であるコンビニなどでも同様なことが頻発しています。

加害者本人に対して各社損害賠償まで考えているということですが、法律家に言わせるとそこまでの責任は問えないとか。

ローソンなんかオーナー責任を問われてFC契約解除です。

う~ん・・・。

 

『人材を人財にするのは社長の仕事』

頻発する同様な困った話は個人店レベルではあまり報じられません。

目配りが直接的におこなわれているからでしょう。

ただし、私の経験から言いますがココ五年ぐらいの間にアルバイトの無責任行動や言動はすべての店において増えています。

どうしてでしょう。

ゆとり教育などの社会的問題も確かにあるとは思うのですが、すぐ目に見えて業績に直結することのない教育の部分に、どうも不景気のなかでお金をかけなくなっているからではないでしょうか。

OffJT にアルバイトを呼べば時給がかかります。

教えてもらうのだから時給はいりません、なんてアルバイトは皆無でしょう。

仕事を覚えたいから早く出てきて自主的に勉強するなんて子も最近聞いたことありませんね。

チェ-ン店の雇われ店長などにはアルバイトに任せて「お先に失礼」と帰っていくことに何の躊躇もない方がたくさんいます。

昔の店長のように閉店の後も仲間として付き合いがある方は少ないようです。

ですから仕事のことに限らず、人生の先輩として教えてあげることが機会として少ないのです。

また、それを受け入れてもらえる人間関係を作れていないのでしょう。

マニュアルを工程通りに教えるだけでは仕事の面白さ、大切さは分かってもらえないのです。

だから、面白さは単純な悪ふざけやパクリになってしまうのです。

店長がだめなら社長しかありません。

というか店長を変えるのも社長でしょう。

細目に店舗、サービスをチェックし、商品をチェックしてだめだしとその指導。

OJT/OffJTに時間を少し、費用を少しかけて心コミュニケーションをとるべきではないでしょうか。

その繰り返しの中で私生活にまで及ぶ話をする、心の会話をし、その人間が大切であると思っていることを分かってもらうことで、彼ら彼女たちにも身内大事の気持ちを持ってもらえば、店で悪ふざけなどできなくなるはずです。

身内に迷惑をかけたくないというくらいの気持ちは彼らも分かるはずです。

前段のバカ者どもはSNSなどのネット内が身内ですからそこを喜ばせようと、またそこで重要な面白い自分になろうとしたのです。

店は他人事なのです。

くれぐれもバカ者を出さないお店であってほしいものです。