石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その113

「おはようございます!」 

「・・・」。

(あ、もう、昼近いか、うっかりうっかり)。

「こんにちは」。

「・・・」。

(あらら・・・)。

できるだけ、朝出かける時など、マンションで出会う方にはご挨拶するようにしている石田ですが、先日は2人つづけて無視されてしまいました。

1日の始まりが気分良くないと何とも1日が不安になります。

その日は途中、犬にまで唸られ、なんだか嫌な感じの出だしでしたが、同様連鎖の日などというものがあるのでしょうか。

その日はこれが始まりでした・・・。

 

『お客様ときちんと向き合う』

電車に乗るとすぐ席が空き、ラッキーと思って座った途端、隣の若者が貧乏ゆすりを始めたのです。

渋谷に着く20分間、嫌な振動を受けながら(コイツ、迷惑だなあ~)が心の大半を占め落ち着きません。

事務所に着くとすぐ営業の電話です。

「飲食店の販促の件で1度会いたいという営業電話ですけど、どうしますか?」

「それが、おしゃべりしたいと言っているんです。おしゃべりって変ですよね?」と電話に出たスタッフが。

「ご挨拶したい」ならともかく、どこの世界で「おしゃべりしたい」という営業電話があるのでしょうか。

おしゃべりする時間はないので、即刻断りました。

その後、雑誌の取材を受けた後、顧問店社長との物件内覧が入っていたので、待ち合わせの場所へ向かうため、タクシーに乗ると、このタクシーがまた返事なしの横柄さ。

イライラが残ったまま、物件に着くと、極め付けは不動産屋の営業マンです。

こちらが作り笑い満面に挨拶している最中に無視して物件に消える始末。

さすがに切れて「挨拶なしか!こら~!」と叫んでしまった石田でした。

反省。

挨拶をしない、言葉使いが悪い、態度行動が横柄、反応がない、無視。

1日全部に出会った石田ほどではないにしろ、人はだれもそんな経験があるものです。

自分たちの店でお客様にそんな思いを与えているスタッフはいませんか。いたらオオゴトです。

お店のサービスと最初に遭遇する「入店時」に、「いらっしゃいませ」もなければ、お客様は不安になるもの。

「誰も気づいてくれない」「せっかく入ったのに歓迎されてない?」「この店はサービスが悪い店なのではないか?」「もしかして忙しくて無視!?」など、最初の印象が悪いと、それだけで店の印象が悪くなり、その後のその店の評価までも最初の「出迎え」ひとつが大きく影響するのです。

石田の顧問店でも社長と抜き打ちで店に行くと、いくつか見つかることがあります。

最近は経費節約の煽りで、教育がされなくなった店も多くあるようです。

でも結果的にモラルが落ちれば、「いらっしゃいませ」からつながる接客用語も心のないものになり、その挨拶言葉さえなくなってしまうこともあるのです。

嫌な感じを与え、怒りを覚えさせたお客様はもう足を運んではくれないでしょう。

せっかく良い商品を提供していることが台無しです。

さらにモラル低下をほっておくと商品にもいい加減さが伝わります。

材料を無視、味に無反応、調理態度・行動に横柄では最悪の事態になってしまいます。

店内・店外での礼儀をしっかりとスタッフに教えることも商売の基本ではないでしょうか。

ではまた。