石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その133

「先生、ではこの後〆で焼肉行きましょう」

「でえ~っ。

こんだけ飲んで食って最後に焼肉!?

まいったなあ。

いいけど、僕は冷麺だけでいいよ」

「何言ってるんですか、だいじょうぶですよ、食えますよ」

こんな会話で焼肉店へ。

結局、肉だ、ホルモンだと食べてしまい帰宅は午前様。

飲食店にとっては良いお客なんでしょうが、こんなお客様は世間では徐々に減っているようです。

前号でも書きましたが、早く帰宅する会社員が増え、パワー朝食やゆとり朝食が注目され、更に業態化しているのが現実です。

影響が悪い方に出ている居酒屋などが売り上げを落としているのは当然と言えるかもしれません。

そんな中お上にこんな動きがあると・・・。

 

『世の中の変化を自分の見直しのきっかけに』

突然のテレビ出演の依頼に「?」と思いつつテーマを聞いたら『朝食のトレンドについて』とのこと。

ここのところ、一般メディアの取材は朝食のことばかりです。

なんだか、朝食の専門家になったような気分です。

まあ、それだけ世の中は朝に重きをおきだしているのでしょう。

7月1日から「ゆうやけ時間活動推進」略して「ゆう活」がスタート!という聞きなれないニュースが飛び込んできました。

早く出勤して早々に仕事を終え、夕方からはオフを楽しもうという,いわゆる「朝方勤務」を推進する取り組みが政府の意向の元、国家公務員を対象に、8月いっぱいだそうですが始まったそうです。

「夜遅くまで働くのは、決して日本の伝統文化ではない」というのが理由のようですが、朝型勤務が今後飲食店にどう影響するのかはじっくり注意深くアンテナを張っていなくてはなりませんね。

モータリゼーションの波が来たときは郊外型の飲食店が活況し、駅前が衰え、酒酔い運転が悪の極みとなってからは郊外の酒はまったく売れなくなり、不景気の長期化でファミレスは郊外を捨て駅前へと、いままでも世の中のトレンドが我々の業界に影響を与えることは少なくありませんでした。

大手チェーンの和食FFやラーメンFRがチョイ飲みを始めたり、ファミレス・コンビニまでが店内アルコール飲みを模索している現実は、早い帰宅の前の短い時間の外食機会を狙っているということではないでしょうか。

「早く帰ると、フロもゆったり、ごはんもゆったり」「家族との団欒」「子どもと公園でキャッチボール」「友人と会える。遊ぶ時間が増える」等々、生活を豊かにするためと政府は言っているようです。

『ごはんもゆったり』『家族との団欒』『友人と会える』の中に外食レジャーがニーズとして発生するのを期待するのは私の気持ちですが、どうお客様のウオンツを掴むかは、目の前のお客様をしっかり見ている経営者の仕事です。

ぜひ考察してみてください。

ではまた。