石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その144

「お~いお茶、冷たいのね。

あ、チョコあったよね。

チャンネルリモコンとって。

枕ねえか枕、ついでに俺のスマホはどこだあ?」

「あなた、少しは動きなさいよ。

なんでもかんでもあたしを使って。

だからそんなにお腹が出てくるのよ。」

「“立ってるものは親をも使え”ってな。

いいことわざだなあ。

効率、効率、効率の追求ってことね。」

「バカじゃないの、自分が動きたくないだけでしょ。

ジコチュウ解釈だわ、あぁいやだ、いやだ。」

「いい仕事をするためにはいい環境がないとな。

ジコチュウで公用車別荘通いの悪人よりましだろ?」

「公用車で通える身分も別荘もない人が、言わないでくださる?」

「実語(じつご)(真実の言葉)は天に昇る橋で、妄語(もうご)(偽りの言葉)は地獄へ入る道」

という説話があるようですが、我都の長は頭の良い方のはずなのに、どうもこの言葉はヒトに対してであって、自分を戒める言葉ではないようです。

奥神様に言わせれば私もですが・・・。

 

【腐ったリンゴは早めに処分】

書店では平易さをうたった本が並び、職場では上司が部下に一から教えることが求められる時代です。

マニュアルはもとよりチェック表なども充実させて営業を行なっても、動かない社員の話があちらこちらから聞こえてきます。

「私がいる時といない時とで、全く働き方が違う社員がいます。

主任なのですが、えばり散らして自分は全く動かない。

アルバイトがあまりに定着しないのでおかしいと思っていたのですが、新人社員も最近辞めてしまいました。

辞める時に彼のことを理由に言うものがいたのですが、やめる人間の言葉より、今もこれからもいる人間を大切にしたかったものですから気がつきませんでした。」

「彼に部下との付き合い方を私なりに教えたのですが、

《下を甘やかしてはダメですよ。

ましてやアルバイトなんていつまでもいる訳じゃありませんから。

アルバイトは社員が楽になるように、働く環境を整えるために存在してるのでしょう》

と言ったんですよ。

びっくりしました。」

まさにジコチュウ妄言ですね(怒)。

社員である自分は働かなくていい、働かせる側と思ってるんでしょう。

「朝礼のやりかた、今日の一言の考え方を一通り教えて任せたら、朝礼がなくなってしまいました。

《言うことがないって》って言うんです。

この前、お客様が《この店は客を無視するのか》と怒って帰ってしまう出来事があったのですが、追いかけて理由を聞いたら、すぐそばにいるのに何度声かけても応えない、注文を取らないとはなんだ、というのです。

本人に問いただしたら《忙しかったので応えてしまったら、仕事が更に増えてしまい、その人にも他のお客様にも迷惑がかかる》というのです。

開いた口がふさがりません。」

その他にも《店の機材が故障して、修理が明日の営業に間に合うかどうか、皆が心配して様子を見ている最中に(就業終了時間とはいえ)黙って帰ってしまう》

《自分は社員だけどこの仕事とは違う夢があるので、本気でこの仕事に取り組む意志はないと公言する》

《自分に金を貸さないとシフトを減らすぞと生活が大変なパートさんを脅して金を借りる店長》

《自分が飲みたいので無理やり誘って金は出さない(あいつらはオレと飲めて楽しいのだからいいのだ)》

とまあ、こんな具合にジコチュウな馬鹿者が増殖中です。

ゆとり世代が悪い、それが世代の特徴だとかいう方々もいますが、昔からダメ社員はいたものです。

それが増えているのはゆとり世代のせいかもしれませんが、全体の人手不足のために選りすぐりができず、目立っているのも確かでしょう。

ダメでも入れるしかなくダメでも切れないのです。

ココは勇気をもって切りましょう。

(切り方は充分な配慮が必要です)。

その瞬間はたいへんです、その後、良い方が来てくれるかも不透明です。

ですが、腐ったリンゴをいつまでも置いておけば、まともなリンゴも腐ってしまいます。

後の体制・次期を計画して、今の他スタッフの根回しをして排除を考えることが必要ですね。

ではまた。