石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その159

「おいおい、またバカなYouTuber (ユーチュバー)とやらが捕まったぞ!

こんな奴らになりたい子供がいっぱいいるとはどういうことだ。

世の中、狂ってるな」。

「何言ってるの、ちゃんとやってる人もいっぱいいるのよ。

今の子供たちは幼いころからITに接して育ってるから職業として立派に認識しているわ。

そんなこといってると遅れてる人って言われるわよ」。

奥神様の言うとおりなのでしょう。

私も三十数年前コンサルタントを始めた頃、「コンサルタントって何?」という言葉に随分出会いました。

そのたびに「まだまだ日本は遅れてるなあ、飲食業界だからかなぁ」と失望したものです。

そういえば、時々、詐欺で捕まる人間が新聞にのると〈コンサルタント〉だったりしますね。

それは詐欺師がコンサルタントを名乗るからで、地に足をつけた真面目な方が大半でしょう。

YouTuberも大半の方は法律を守り、活躍なさっているのだと思います。

まだまだ歴史が浅いので、モラルの低い人間がふるいに掛けられているのでしょうね。

子供たちと違って、人生の途中からITの波を受けている飲食店の経営者、特に職人から店を立ち上げた方々は、食わず嫌いを通している方が多いようですがどうなのでしょうか。

 

【ITから逃げてはいけない、時代は加速している】

通信環境が、固定電話から車載電話・ポケベル、そして大型携帯、さらにコンパクト携帯に変わっていった速度は、マイコンからパソコンに変わっていったことも含め、今思えば瞬く間だったように思いますが、それより更に早い速度で、劇的に環境を変えているのがスマホへの変化でしょう。

その変化を社会が受け入れていることは、TVのCMを見ていれば明らかです。

通信会社とそれを利用するゲーム会社のものが繰り返し流れています。

時代を表すと言われる日本人が愛する野球の球団にも、情報関連の会社がどんどん進出していますね。(ソフトバンク、楽天、DeNA等)。

そんな時に「『私はわが道を行く』ですよ。

パソコンや、ましてスマホなんて流行物、若い子に任せていればいいんです。

そもそもウチのお客さんにそんなもの影響ありませんから」などと言っている方がまだまだ多くいらっしゃいます。

流行物ではないですし、もはや必需品なのです。

また、今のお客様は永遠でもありません。

消費者の購買行動は確実に変化しています。

AIDMA (アイドマ)の法則といわれる従来の行動パターン《Attention(注意)・Interest(関心)・Desire(欲求)・Memory(記憶)・Action(行動)》は、通信環境によって2つのS《Search(検索)・Share(情報の共有)》が加わり全く違ったものになっています。

さらに比較・検討というC(Comparison)・E(Examination)が追加され、情報の発信がないビジネスは化石化していっています。

「ウチは口コミを大事にしているので、来たお客様を確実に満足させていれば問題ない」などと言っている経営者が最も問題なのです。

これからは、「お客様は口コミで評判を聞いた後、注目し興味を持つ。

その後、検索調査し、他の店と比較し検討する。そして行動を起こす」ということを知らなければなりません。

そしてそれを掌の上で短時間に完結するのがスマホということです。

Facebook(フェイスブック)・タイムライン・Instagram(インスタグラム)・Twitter(ツイッター)などのSNS、ホームページ・投稿サイト、情報発信のツールはいくつもあるのですから、くれぐれも食わず嫌いで手を出さず《遅れた店》になりませんように。

ではまた。