石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その162

「ねえ、見て見て。

今度このお店行きたいわ。

美味しそうだもの!」

「ホントに旨いかどうか、わかったもんじゃないぞ。

また裏切られるんじゃないか?」

「どうしてあなたはそうなの。

私が行きたいって言ったら、『そうだね、行こうね』でいいじゃない。

この写真見て美味しそうと思ったのよ、綺麗でしょう」。

「こんなの狙って撮ったに決まって・・・。

あ、そうだね、今度行きましょう」

てな奥神様との会話はいつものことですが、確かに素敵な写真がスマホの画面に輝いていました。

数年前から飲食店が載せる料理写真だけではなく、素人が載せる投稿写真もまるでプロが撮ったようなきれいなものが現れてきています。

皆様のお店の料理写真の見栄えはいかがですか。

 

【商品開発はアイディアと味だけではない】

面目に経営に取り組んでいれば、新商品を考えるのは誰しも定期的に行っていることだと思います。

食材の選定、味の創造、盛り付けの創造、器の選定など何度も思考を巡らせ、試作を繰り返し、試食に納得してお店に出すわけです。

ところが多くの店はプロモーションが下手なために外してしまうことも珍しくありません。

《美味しければ売れる》を盲信し、今やらなければいけないことをやっていないからです。

「口コミが一番。

確かなものを出していればお客様がお店の良い口コミを広げてくれる」のは、その通りですが、その口コミは今「口頭」だけではなくなっているのです。

2017年、流行語大賞の一つに《インスタ映え》が選ばれました。

インスタグラムだけではなく、フェイスブックやラインなどSNSなどにアップされる画像には料理写真が溢れています。

《いいね》が欲しいために、インスタ映えする飲食店の料理写真が掲載されているのです。

そしてその写真はドンドン上手になってプロのカメラマン顔負けになっています。

当然それを見る方々にも影響を与えます。

また、投稿サイトにも写真は溢れています。

経営者はこの現実を踏まえて商品を開発しなければいけません。

極端にいえば写真が下手な投稿者やSNSメンバーでも見栄えが良い写真になることを意識した開発をするということです。

新規オープンの店は今年も多く現れました。

そして来年も変わらず同じように業界は推移するでしょう。

そこで考えなければいけないのは、新規の店の多くの経営者は、今の時代を普通に生きてきた、今の時代を当たり前に捉える経営者達だということです。

SNSを普通に経営に取り入れている経営者は確実に増えています。

経験豊富な多くの経営者が間違うのは、彼らを新人のひよこだなどと甘く見ることです。

今を生きる驚異のライバルとして自分たちが足元をさらわれない様に変わらなければいけませんね。

《インスタ映え》を考えるのもその一つです。

負けずに挑戦しなければいけませんね。

もちろん来店の“きっかけ”にするということですから、いつものQSCを疎かにせず、CS度を高めていなければ意味がありません。

そこは経験の有利さを生かしましょう。

ではまた。