石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その172
「このアボカド、ちょっと柔らかすぎじゃないか。
ねちゃねちゃだな。」
「美味しい時期が過ぎちゃったのよ。
それぐらい我慢して食べて頂戴、悪くなってるわけじゃないから。
他の料理はおいしくできたでしょ。」
「まあな。」
「まあなって。
あなたってさあ、ホントやる気をなくさせる人ね。
もっと私がやる気になるように誉めるとかできないの。
あ~ヤダヤダ。」
「あ、いや美味しいなあ。
この煮物なんか最高だね、店やったら大繁盛だ。」
「・・・。」
世の中は褒められて認められて伸びるという人のほうが圧倒的に多いようです。
皆様のお店ではどうでしょうか。
【成果主義というものを逆転の発想で考えてみる】
成果主義を取り入れるようになって随分経ちますが、どうも良い結果がでているということはあまり聞きませんね。
社長たちと話をすると、多くの従業員は今の状態に大満足ではないけれど、とりあえず大きな不満もないので、目標を想定してクリアすれば褒賞があると設定しても、それに乗って頑張る人が少ないというのです。
そういえば、最近の調査で出世を望まない社員が60%を超えていると聞きましたが、なるほど責任が増えることや与えられた目標をクリアすることで褒賞をもらうことなどはあまり興味がないようです。
更なる目標を与えられる苦しさより今の状態で過ごしているほうが居心地良いのでしょう。
ただし、それはやる気がないのではなく、ハングリーな状態でないため、新たなストレスをためたくないということのようです。
考え方も怠け者ということではなく、今、もらっている給料のなかでやるべきことをやらなければいけないという真面目さもキチンと持っているようなのです。
ならば、こちらの発想を変えて、先に給料や待遇を今より良くしてあげて、新たな仕事内容を明確に提示してあげたらどうでしょう。
一度良くなった待遇はなかなか手放せないものです。
ましてやこの人材不足の世の中、事態が好転するかどうかは、あっても先の話でしょう。
他の会社より待遇が良い状態が続けば定着率が上がるでしょうし、また挑戦する目標も具体的に見えるので、本人の生活変化のタイミングで再度挑戦する意識も芽生えるかもしれません。
今までどこの企業も、社員に成果を求めていろいろ考えてきましたが、大成功はなかなか報告されていません。
先に給料や待遇を良くするのも、必ずしも成功するとは言えませんが、何かを試していかなければ会社は、人は変わりませんね。
ご一考ください。
大変ですが・・・。