KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』  Vol.57

今年も早いもので4月に突入しました。

今年は急激に暖かくなったりむちゃくちゃ寒かったりと気候が落ち着かず、季節の移り変わりに戸惑っていますが、もう桜も満開でようやく春到来ですね。

日中暖かくても、夜桜見物などは寒いので、油断せず体調管理には気をつけましょう。

戸惑いと言えば、先日、店舗視察に行った際、こんなことがありました。

どの会社や店舗でも、働きやすい環境や雰囲気を取り入れながら、人材の確保や定着対策に取り組んでいることと思いますが、現場では少し勘違いがあるようです。

そのひとつが、現場の笑顔とスタッフ同士の楽しい職場の取り違えです。

そこでも、接客の笑顔ということと、スタッフ同士が仲良く楽しく仕事をする事を勘違いしている姿が目に入ってきました。

顧問先の社長と新店舗出店の為、他店舗の市場調査に出向いていたわけですが、店内ではスタッフ同士の私語と笑い声が店内に響き渡り、楽しくしている様子が伺えます。

そのため、肝心の注文には無頓着で、呼んでもなかなか気づいてくれません。

人影も無く笑い声と話し声だけが聞こえてくるようでは、ウルサイだけ、寛ぎたい空間でイライラ感満載です。

店員さんの笑い声って耳ざわりなんですね。

仕事中の緊張感や客席に向けての意識がかなり薄れているようでした。

笑いイコール私語だと気がつかなければなりませんね。

私語と言えば、最近では外国人スタッフ同士の外国語が店内でよく聞こえるケースがありますが、それもどうなのでしょうか?

イタリアンやフレンチ、中国料理の店など専門性のある店舗ならそれもありでしょうが、一般的な店舗ではやはり雑音に聞こえるもので、食べログなどで批判されている口コミもよくみかけます。

威勢の良い接客ばかりを期待する訳ではありませんが、“いらっしゃいませ”の声もなく、笑い声だけが響き渡っているのでは、ウルサク不快なだけ。

質の悪いスタッフが揃っている、教育ができていないと思われても仕方がありません。

責任者は人材の育成においての勘違いが、お客様の不信感や不満足に繋がる事に敏感に気がついてほしいですね。

ましてや、会計の際レジでの対応でレシートを渡すことも無く合計金額を伝えるだけ、不信感が倍増でした。

これも、口コミでよくみかける不満項目なんです。

今回は、悪しきサンプル店舗を元に反面教師として良く勉強にして役立たせる事に繋げたいものですが、自店舗を見直し引き締めないと落とし穴があったりしますから気をつけましょう。

みなさんも時には近隣競合店の調査に足を運び、良くも悪くも勉強しましょう。

来店して頂くお客様は、最低限、普通からのスタートを求めているのですから、決して難しい事ではなく実行できますね。

抜かり無く取り組みましょう。