お客様の「気持ち」に応える

お客様から、「私は○○が嫌いなので、○○を抜いていただけますか?」

そう言われたことはありませんか?

その時どのように対応しましたか?

先日、私と知人とで、ある某チェーンのファミリーレストランに入った時のことです。

ハンバーグステーキを注文する時のこと、知人は人参が苦手で、ガルニに付いている人参を抜いてほしいと若い女性の店員にお願いしました。

その店員は、「かしこまりました」と告げて立ち去り、その後ハンディーターミナルを打ちながらデシャップからキッチンに向けて何か話をしていました。

約10分後、注文したハンバーグが運ばれてきましたが、そのハンバーグの脇には人参の代わりに、鶏の唐揚げが2つ乗っていました。

知人はびっくりした様子でしたが、とても喜んで、帰り際、女性の店員に「ありがとう!」告げていました。

この際の対応を判断したのが、この女性の店員かキッチンの責任者かは定かではありませんが、私もチェーンのファミリーレストランでもここまでの気配りをするようになったのかと感心しました。

このような場面で、お客様に対応する我々の選択肢はいくつか考えられます。

•  人参だけを抜いてお出しする

•  他のガルニ(ポテトやほうれん草、コーンなど)を少し多めにつける

•  このお店がしたように、メインディッシュ的なものを添える

•  他のドリンクなどをサービスする

etc・・・

厳密にいえばチェーンのファミリーレストランなどでは、原価や原価率調整などの問題もあるでしょうし、また、他のお客様との不公平などの問題もあることでしょう。

しかし、私の知人はこの時の対応に十分に満足し喜びました。

このお店に対する印象自体が良くなったのは言うまでもありません。

しかも、鶏の唐揚げを出してもらったこともさることながら、様々なお客様の要望があるなかで、さりげなくスマートに対応したことも重要でした。

「心意気に心意気で応える」

そう言っては大袈裟かもしれませんが、この時、接客・サービスの上で大切なことを私は再認識しました。

昔の商店では「もってけ、泥棒!」と言って値引いたり、おまけをしたりしたものです。

これはお客とのやり取りの中で、「いつもありがとう」という気持ちを込めた行為なのではではないでしょうか。

その気持ちにさらにお客様も応え、ついついまたそのお店に足が向いてしまう・・・

営業上のルールや理論を越えた、接客・サービスの原点のような気がしてなりません。