コラム

KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』

2015年8月11日

Vol.49 コンセプトを客観的に見つめ直す

連日猛暑日が続き、今日も「暑いですね」がご挨拶になっていますね。

本当に毎日お疲れさまです。

今回は、先日出会った暑さもぶっ飛ぶ怖い?いえいえ驚きの飲食店でのお話。

駅前の一等地、飲食店ビルにある居酒屋です。

駅を出たところで、熱心に呼び込みをしている店員さんに足を止めると、居酒屋で「何杯飲んでも生ビール&ハイボール1杯190円」とのアイキャッチが。

生ビール1杯190円は魅力的ですね。

驚きの安さに店員さんに尋ねると、ビールメーカーと芸能事務所のコラボ企画店との事、興味をひかれて入店しました。

すると、店内はなんともチーブな店作り、板張りのテーブルにパイプイス、まぁ生ビール190円だしなぁといった感じです。

スタッフは居るものの、入店に気づくこともなく、いらっしゃいの声も案内もなく、こちらから呼んでやっと来る始末。

席に着いて、メニューを渡されたのですが、そのメニューを見て驚きました。

「活豊後さば刺し」3980円、「霧島黒豚炭焼き盛合せ」1750円、「特上馬刺し3点盛り」2480円など、ほぼブランド食材、○○産牛肉やこだわり農法の野菜、魚もブランド魚など、何から何まで料理屋か高級割烹かと疑うメニューが並んでいました。

また、なぜだか、店内にPOPやメニューはあるものの、一切の価格表示がありません。

メニューに価格がないなんて、うっかり注文すると驚きの会計なんて事になりかねませんね。

怖くて注文できませんね。

周りを見渡すとサラリーマン6人グループのテーブルには、仕方なく注文したであろう枝豆やポテトフライなどの定番メニュー3~4品のみ。

カップルのテーブルは、枝豆だけでビールとサワーを飲んでいます。

そうなんです、皆、一見さんで190円ビールにキャッチされたのでしょう。

板張りテーブル・パイプイスの店で、6000円の牛肉は食べませんよね。

騙された感一杯の空気プンプンです。

たとえ商品が良くても、店のコンセプトが明確でない、アイキャッチを間違えるでは、二度と来店頂けないばかりか、口コミで悪い評判を広げてしまう事になりかねません。

190円の生ビールに釣られての来店なのに、高価格商品ばかりが並ぶメニューは想像していないでしょう。

来店動機を想像して商売しないと騙しと思われても仕方ありません。

コンセプトを元にファザード、内装、商品メニューなど、全体的な統一感がないと、企画店舗といえどもお客様を不愉快にしてしまいます。

我々飲食業界は、お客様に笑顔になっていただく、こちらもお客様を笑顔にすることに喜びを感じるそんな業界ではないでしょうか。

今一度、自店のコンセプトはお客様に通じているのか、誤解はないか、期待に応えているかを客観的に見つめ直してみませんか?

この店舗はやはり会計後もどこからも「ありがとうございます」の声もなく、不満足度100%でした。

店を出てから看板を見るとショルダーネームに『ゴールデンマジック』と。

どんなマジックなのでしょうか?

やられました。

まだまだ猛暑が続きそうですが、体調管理をしっかりして、日々の笑顔を失わず頑張りましょう。

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