コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2014年9月9日

Vol.123 コリアンダー

息子(小5年)の夏休みの自由研究は、「オリジナルスパイス」。

スパイスの効用を調べ、その中から、薬膳的な身体にいいもの、そして、香りや味が自分の好みのものを選び、調合。その名も「薬味ックス」…。

クラスで発表するとき用に、クラス全員分+先生分のサンプルまで用意。

皆様に、大変ほめられましたが、「スパイス調べたいんだけど」といえば、資料となる本が4~5冊出てきて、「これとこれとこれのホールとパウダーがほしい」といえば、それが夜には届く(主人は、スパイス屋さんです…)。

50袋分のサンプルは、父母(あ、私ね)妹まで引っ張り出し、内職のような家内作業。

楽な自由研究だよな~(笑)。

ちなみに、息子が1番気に入ったスパイスは、コリアンダー。

コリアンダーを効かせた、意外とおいしいスパイスミックスができあがりました。

ということで、今回は、コリアンダーの話(笑)。

●コリアンダーとパクチーって同じもの?

コリアンダーは、「コリアンダーリーフ」、「コリアンダーシード」として、葉も種も使用されます。

コリアンダーというと、シードを指す方が多いようですが。

その葉は、中国ではシャンツァイ(香菜)、タイではパクチーとも呼ばれる、例の「あれ」です(笑)。

タイ料理などにどっさり入っているクセのある独特の香りの「あれ」(笑)。

中国パセリとも呼ばれますが、パセリとは品種が違います。

ちなみに、コリアンダーは、英名。

シャンツァイやパクチーは、今や普通のスーパーで普通に売られるようになり、身近な食材になりましたが、シャンツァイの種がコリアンダーだとは、あまりまだ知られていないようです。

それとよく聞かれるのが、チャービル(セルフィーユ)は、同じものですか?と。

確かに、土地が違うと香りや味が変わるものもありますよね。

でも、これは、同じセリ科の植物で葉の形もよく似ていますが、これもちょっとだけ品種が違います。

ちなみにこれは、グルメのパセリなんて呼ばれています。

あぁ、ややこしい(笑)。

●媚薬ってほんと?

麻薬のような何かに取りつかれてしまったかのように、すべての料理が同じ香りのそれとなり、幸せを感じる「好き派」。

また、その存在すら否定したい勢いでそれがあることを部屋に入ったとたん気付いてしまうくらいの「嫌い派」。

両派にはっきりと分かれ、「可もなく不可もなく」がほぼ存在しない珍しい食材、シャンツァイ、パクチー。

リーフは、とてもクセのある独特な香りがありますが、シードは、それほど強くなく、大量に使用してもそれほど問題ありません。

しかし、柑橘系の香りがほのかにし、甘みもあるこのシード、中世では、媚薬として用いられたこともあるそう。

この香りを使い、化粧品や香水なども作られていたようです。

やはり、種にもやめられない、虜にするような何かがあるんですね。

●最近話題のデトックス効果!?

消化促進、食欲増進などの効用はよく知られていますが(というか、カレー粉に含まれるスパイスのほとんどが、この効用を持っていたりするんですが)、最近、体内の毒素を排出するデトックス効果もあることがわかり、話題となっています。

ガンも治るとか?←もちろんこれだけでは治りません。

他にも、疲労回復、発汗作用の他、殺菌作用、炎症を抑える効果もあり、関節痛、腰痛、のどの痛みの改善にも有効らしい。

また、ビタミンA、B、Cが豊富に含まれているとのこと。

スパイスって、まさに薬膳、そのままですよね~。

と、今朝、妹の方が、「ねぇ、ママ、口の中が痛い」というので見てみると、大きな口内炎が。

「これ、いいらしいよ」と、うちにあったコリアンダーのパウダーを水に溶き、口をゆすがせてみました(笑)。

治るかどうか…。

とりあえず、感想は「からい、まずい、気持ち悪い」だそうです(笑)。

のどの痛みにも効くとありますが、これで痛い時にうがいをするのは、かなり勇気が…。

あ、でも、媚薬というから、クセになるかしら…。

今から15年ほど前、沖縄に初めて旅行した時に、あるホテルで食べた唐揚げ。

その唐揚げには、びっしりと、びっくりするほどのコリアンダーが衣としてくっついていました。

その名も「こりゃなんだ~」…。

コリアンダーってこんなに粒のままいっぱい食べても、そんな嫌味な感じはしないんだ、とか、鶏のから揚げに意外とあうんだ、とか、でもこの量はないよなあ~とか、の感想ももったようにも思いますが、それよりもこの名前のインパクトが強すぎて…。

でもいつの日か、この名前、ぱくってどっかで使ってみたいと思っている私でした。

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