2013年3月5日
Vol.105 ぼたもち・おはぎ。
温かい日が何日か続くと、このまま温かくなるかなぁとつい期待をしてしまいますが(寒さに弱い私…)、まだまだ、寒いですね。
暑さ、寒さも彼岸まで。早くお彼岸が来ないかな。
お彼岸といえば、小さい頃は、祖母と一緒に山のようなおはぎをお彼岸につくり、「夕飯も朝ごはんもおはぎ」かのような勢いで食べた思い出がありますが、今は、さすがに核家族にもなり、山のようなおはぎはつくれません。
ということで、昔を懐かしみながら、今回は、お彼岸のお供え物、ぼたもち・おはぎ。
● まずは、基本。お粥の炊き方。
①米を洗い、水気をきって鍋に入れる。水を加え、蓋をせずに、火にかける。
②沸騰したら、塩を加える。煮立つか煮立たないかの火加減で、40~50分静かに炊く。
③上澄みが、米すれすれにかぶるくらいまで煮詰まれば炊きあがり。
ポイントは、まず、米を水が澄むまでよく洗うこと。
お粥は、炊く時間が長いので、事前に給水させる必要はあまりありません。
蓋をしないで、炊くこと。
沸騰したら、すぐに火を弱めること。
そして、絶対にかきまぜないこと。
かきまぜると、粘りが出ます。
また、焦げやすくもなります。
糊のようなお粥は、おいしくありません。
おいしく炊けたお粥は、米の一粒、一粒が形くずれることなく、ふっくらとふくらみ、さらりとしてなめらかな口あたりです。
● ぼたもちとおはぎは何が違うの?
春のお彼岸に食べるのが、「ぼたもち」、秋のお彼岸に食べるのが、「おはぎ」。
季節によって呼び名が違うだけで、基本は一緒です。
小豆の粒を、春のお彼岸の花、牡丹に、秋のお彼岸の花、萩に、見立てたようです。
ぼたもちには、「餅」が名前につくから、もち米で、おはぎはうるち米で作るという話もあるような、ないような。
違いを強いて言うならば、ぼたもちは、牡丹の花をかたどって丸く大きく豪華に作られ、おはぎは、萩の花をかたどり、小ぶりで長めに丸められて作られたくらいでしょうか。
また、小豆の収穫期は秋ですので、やわらかい小豆をあんにできるおはぎは、皮もやわらかいので一緒につぶしたつぶあんで、年を越して春につくるぼたもちのあんは、皮が固いのでこしあんだったということも。
でも、最近では、あまり大きな和菓子が好まれなかったり、春でもやわらかな小豆が出回るようになったりで、大きさも、つぶあんか、こしあんかも決まりはほとんどないようです。
さらには、最近では、名前も年中、おはぎとして通すお店が圧倒的に多いようです。
● 半殺しって怖いけど何?
今日のぼたもちは、半殺しで。
なんのことだかわかりますか?
これは、米のつぶし加減のことをいっているのです。
半分くらいつぶしたものが、半殺し、全部つぶしたものが、皆殺し。
米ではなく、あんこのことをいう地方もあるようです。
ちなみに、米は、もち米でもうるち米でも、お好みで。
合わせているところが多いですね。
「客人は、半殺しにしようか、手打ちにしようか」とは、落語のネタ。
おはぎにするか、手打ちそばでもてなすか。
もとは、静岡や、東北、北海道の言い回しのようですが、落語のネタにもなり、どこ地方の言葉とは決めがたいようです。
● 小豆とささげは一緒?
よくお赤飯には、ささげを使用します。
ささげは、小豆とは品種が違います。
でも、これ関東だけらしい。
小豆は、煮たときに皮が破れやすいため、「腹切れする豆は、切腹に通じる」として武士の間で嫌われ、特にお祝い事のお赤飯には使用されなかったとのこと。
江戸っ子ですねぇ。
一方、ささげは、煮ても皮が破れづらく、煮崩れしないからだそうです。
小豆の方がやわらかく、関東以外の地方では、お赤飯にも小豆が使われている地方も多いようです。
ちなみに、大納言は、小豆の一種。こだわりの小豆といったところでしょうか。
上記、大きな間違いをしました。
春のお彼岸にお供えするのが「ぼたもち」、秋のお彼岸にお供えするのが「おはぎ」、でした。
食べるのではなく、お供えするものですね、もとは(笑)。
お彼岸には、お墓参りに行こうっと。
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