2011年5月9日
その83 ぴかぴか日本一の店はやっぱりヒトを呼ぶ
またまた飲食店にとって衝撃的な事件が起きてしまいました。
富山・神奈川などで「焼肉酒家 えびす」を展開する(株)フーズフォーラスが起こしたユッケの食中毒事件です。
これを書いているたった今、四人目の犠牲者が出たとのニュースが飛び込んできました。
これ以上、広がらないでもらいたいと願うばかりです。
いつも言っていることですが私たちの仕事はヒトの口に物を入れる仕事です。
口はエネルギーを最初に取り入れる臓器ですから、注意深く信頼したものしかヒトは受け入れようとしません。
つまり私たちの店でお客様が楽しそうにお食事をされるというのは、私たちの店を信頼して、安心しきって何の疑いもなく過ごしているということなのです。
信頼を裏切ることのないよう更なる衛生管理を含めたQSCを推進することをお願いしますね。
『ぴかぴか日本一の店はやっぱりヒトを呼ぶ』
今年に入って「ぐるなび大学」「ぱど主催講演会」「泡盛試飲会」などの講演でQSCのCについての話を繰り返ししてきました。
最近のセミナーや勉強会を見ると集客や販促のテーマが多く、もちろん石田もやりますが、それ以前の重要項目は当たり前のことだからもういいでしょうというような空気があるのか、あまりそこに的を絞って話す方が見当たらないのが残念なので、あえて石田は時間を割いて話してきました。
良かったと思っています。
今回の事件当事者がそうだというのではありませんが、儲かりそうならドンドン店を出す、拡張路線を安易に進めれば追いつかぬ管理と育たぬ人材(人災)が現れてくるのです。
そして確実に崩壊に向かっていくのです。
今年初めのスカスカお節事件も記憶に新しいですね。
「良い店を創る」ということは基本であることを確実に実行し、全ての土台にすることなのです。
先日、講演を聞いてくれたフードサービスJP「らあめん英」の望月社長から
「先生、モノ凄いぴかぴかの店がありますよ、自分も唸りました。勉強で社員を連れていきますがいっしょに行きませんか」と誘いがありました。
23時過ぎに、店から上がってくる店長2人を連れていくというのです。
綺麗事をどこまでやっているのか興味があり、
「へえ、そんな店があるの、新しいだけじゃないの」
「もう25年以上やってるんですよ」
「見るのが1番だな。行こ行こ!」というわけでタクシーを飛ばして到着しました。
暗い夜の自動車道に黄色いテントが浮かび上がっています。
「ラーメン道楽 代々木店」
街でよく見かける何の変哲もないラーメン屋です。
なるほど外観は古いけれど綺麗にしています。
ところがこの後からがびっくりの連続でした。
偶然ゴミ出しに出てきた御主人の白い長靴がピッカピカです。
出してあるゴミの容器やカン類がまたきちんと整理され、汚さは皆無。
店内に入ると冷蔵庫類・ガス台・寸胴・鍋類・ダクト・換気扇等々、すべてピカピカしています。
店が25年大事にされてきたことがよくわかります。
新しい綺麗さではないのです。
磨きこまれた仕事の跡という感じがしました。
カウンターやそこに並ぶ調味料入れ、椅子、壁に掲げられたメニュー版、時計、冷蔵ショーケース、中に並んでいるビールも何しろピッカピカ、ついでに御主人の頭もピッカピカ。
ここまでやるかと言うぐらいピカピカの御主人。
「自分が食事に行った時、やっぱり汚い店だといやだからね、自分が嫌なことはお客様にしちゃいけないですよ」そう語ったユニフォームが眩しかったですね。
次から次にお客様がやってくる状態で25年、常にこの綺麗さを維持してきたのは脱帽するしかありません。
正直、商品は普通だし、接客サービスもあってないようなものですが、おそらくここの商品は安心で信頼できるものであるとお客様が認識しているのでしょう。
「オラが町のおらの店」として定着しているのでしょうね。
クレンリネス最優秀賞、クレンリネス国宝に認定です。
この店でユッケを出してもらいたいものです。
いや、このような店で・・・
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