2011年12月12日
Vol.90 塩こうじ
「塩こうじ」がブームです。
今年のトレンドにも選ばれました。
最近では、ファミリーレストランのメニューにも、使用されています。
もともとは、東北地方に伝わる調味料だそうです。
「おせん」というマンガに掲載されていたものが、テレビドラマ化で、ドラマの中でも紹介され、火がついたとか。
今では、テレビや雑誌などでも紹介され、レシピ本もいろいろ出ています。
ということで、うちでも密かなブームになっている「塩こうじ」の話。
● 塩こうじってなに?
名前の通り、「塩」と「こうじ」と水を混ぜて発酵させたものです。
塩とこうじと米を3:5:8の配合の割合で混ぜて作る「三五八漬け」という漬け方が東北地方にありますが、その漬け床をもっと使いやすい調味料にした、と言う感じでしょうか。
見た目は、お粥のようなとろみのある物体で、絵的にはちょっと地味なんですが(笑)、肉や魚、野菜を漬けてもよし、ぬってもよし、味付けに使ってもよし、といったところからか、魔法の万能調味料なんて呼ばれています。
塩こうじに使われる「こうじ 」には、酵素がたくさん含まれているため、肉などをやわらかくする働きがあります。
また、アミノ酸やグルタミン酸などを作り出すため、甘味や旨味をもたらします。
つまりは、安くて旨味の少ない固い肉が、やわらかくておいしい高級肉になるということでしょうか(笑)。
それはやはり、魔法の調味料ですよね。
● 麹と糀?
ところで、今まで、「塩こうじ」とあえて、「こうじ」をひらがなで書いてきましたが、
「こうじ」には、「麹」と「糀」、2種類の漢字があります。
本来は、「麹」。
これは、中国から伝わってきた漢字です。
しかし、米と関わりが深かった日本で、いつしか「糀」という漢字が生まれました。
米の「こうじ」は、見た目が白くモサモサした塊で、米に花が咲いているように見えたのかもしれません。
私には、白かびが生えているとしか、見えませんが(笑)。
ですから、「麹」には、音読みがありますが、「糀」には、音読みがありません。
中国の方に、「麹」と書くと、意味をわかってもらえますが、「糀」では、何のことだかわかりません。
ということですね。
「こうじ」を表すのに、「糀」「麹」どちらの文字を使っても問題はなく、意味も同じとされていますが、「糀」は米を使ったもの、「麹」は麦や大豆をつかったもの、と分けることも多いようです。
米を愛する日本人のこだわりでしょうかね。
● 塩こうじの効用
塩こうじは、アンチエイジングとしても話題の発酵食品で、健康にも美容にも、最適です。
必須アミノ酸9種がすべて含まれており、ビタミンも豊富、バランス栄養食なのです。
効用としては、
・疲労回復
・ストレス軽減
・便秘解消
・老化予防
・美肌効果
などなど。
ヨーグルトや味噌などと同様、1日にどのくらい食べるとよい、ということはないようで、ちょっとずつ、続けるのがいいと言われています。
塩がわりに使えて、塩よりも旨味が豊富ですから、味噌やヨーグルトよりも、手軽に取れそうですよね。
ところで、「こうじ」はさわっていると手がつるつるになるとか。
酒蔵の杜氏さんの手がきれいなのは有名な話。
でも、最近アレルギーのせいもあり、手あれがひどい私は、塩こうじを作るのも、塩がしみるので、手袋をして…。
ぬか床も味噌も素手でさわれません。
う~ん、残念。
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