コラム

石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】

2010年11月8日

その77 クレンリネスの徹底がお客様を呼ぶ

先日、石田も関わらせていただいたことがある『愛の貧乏脱出大作戦』というTV番組の十年ぶりのスペシャル番組が放送されました。

当時から十年経った今、あのお店たちはどうしているのかという企画でしたが、案の定惨々の結果になっていました。

元々絵になりやすい強烈に困っている方々が対象とはいえ、放送された181件のうち今も営業を続けているのは39件、まともな売り上げがあるのは2件という結果は、しみじみ飲食店と言うのはタイヘンなのだ甘くはないのだと実感したのでした。

そういえば、駄目なお店の共通点は、基本の基本であるクレンリネスが駄目だったなあ、初めてお店に行くと何しろ汚い、なんてことを思い出していたそんな折、大阪の“ぐるなび大学”さんから【クレンリネスの徹底がお客様を呼ぶ】というテーマで講演をというお話をいただきました。

<最近はなんだかこねくり回したテーマで話す人が多いし、それが勉強だと思っている方も多い>ので、基本中の基本で人が来るのか不安でしたが大事なことは不変です、お引き受けしました。

結果多くの方が来られ、熱心に受講されました、ありがたいことです。

『クレンリネスの徹底がお客様を呼ぶ』

暮れ正月は普段来店されないお客様がやってきます。

宴会の幹事が選んだ店だから、久しぶりに会った友人に誘われたから、普段しない外食を特別な時だから、この時期がクラス会だからとかの理由が動機として生まれる時期だからです。

でもそんな理由で来た店で最初に出合うのがこのクレンリネスの問題です。

店を探しながら来る人は看板やのぼり、懸垂幕をじっくり見るでしょう。

店に入る時にその玄関を目にし、アプローチ部分の雰囲気を感じ、店内のPOPやポスターをチラ見して、化粧室を使用します。

クレンリネスにずさんな店はこの時点で初めてのお客様をリピーターにできないかもしれません。

なぜなら前述したような理由で来店された方であれば元々好きで来ているわけではないので初印象が悪ければすべてに影響が出るからです。

ハロー効果というやつです。

ちょっとのことでも大きく感じてしまうのです。

料理がちょっと遅いだけなのに“凄く遅い”、ちょっと濃い味を“しょっぱい、強すぎる”等々。

逆に印象が良ければちょっとの悪は消されてしまうわけです。

クレンリネスは悪を消すと言っているわけではありませんが、そのようなタイプのお客様がいらっしゃると言っているのです。

サービス業の根本はいやな思いをお客様に起こさせないこと。

普通にお過ごしいただくこと。

そんな意味から考えるとクレンリネスについて充分に配慮されているのは当たり前のことなのです。

いい機会ですからこんな風に覚えたらいかがでしょう。

“暮れは普段来ないお客様が来てクレルンデス。クレンリネス。”

「くだらねえ~!!」と言わず張り切って店を磨きましょう。

飲食店の暮れの大掃除は10月,11月なのかもしれませんね。

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