コラム

石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】

2004年10月29日

その6 商品構成のエンジニアリング分析

 前回ABC分析(売上)について述べましたが、更に立体的に分析するのがこの方法です。ABC分析ではもちろん売上だけでなく杯数(個数)、粗利でも見ることができますが、メニューエンジニアリングでの分析はこれらを一挙に見ることができるのです。まず下の図をごらんください。

 図表を完成させるには、まず対象部門(例えば、飲物とか食べ物等)の売上個数・一品原価(粗利額を出すためです)をしっかり一定の期間(最低一ヶ月)取出さなければなりません。それが準備できたら、この図表に一品一品をプロットして完成です。

 さて完成した図表にはA~Dの象限が表れますが、これをそれぞれ分析判断して戦術に生かしていくわけです。

Aの象限にプロットされた商品群を「スターメニュー」と言います。スターメニューは個数が多く出ていて人気が高く更に粗利も高くて儲かる商品ですから、大事に扱うべき商品であり、小さなミスであっても評判に結びつくコワイ商品でもあるのです。

Bの象限にプロットされた商品群は「農耕馬メニュー」といいます。個数が多く出ていて人気が高いのは間違いありませんが、粗利益が充分出ていませんから、この象限にプロットされた商品は仕入方法やボリューム・質などを見直すようにして粗利益を確保できるように改善していく方策を考えます。

Cの象限にプロットされた商品は、個数が出ていませんから人気はあまりない商品です。しかし、充分な粗利益が取れる商品だという事はわかります。
つまり実力があるにも拘わらず、人気のない商品ですから「問題児メニュー」と呼ぶわけです。この商品に関しては、売り方、セールスプロモーションを考えます。
POP戦略やメニューブックでの配置戦術、サービス販促で個数が出て人気が高くなれば、あっという間にスターメニューです。

 最後にDの象限にプロットされた商品ですが、ここに入った商品は「負け犬メニュー」と呼びます。人気もなく粗利も低いとなれば、その存続を考えなくてはならないメニューというわけです。

次回からはQ.S.Cの‘S’、サービスについてです。

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