コラム

石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】

2004年6月20日

その2 5W1H

全体コンセプト・テーマは4つに分けて考えると言いましたが、分ける前にコンセプトの作り方が大切です。
そのときの基礎的な順序が5W1Hです。

WHO (ダレに売るのか)

WHEN (いつどんなときに売るのか)

WHAT (何を売るのか)

WHERE (どんな場で売るのか)

WHY (ナゼこれを売るのか)

HOW (どのようにして売るのか)

 開店創業店にとって重要なコンセプト作りは、最初に手をつけなければなりません。物件を持っていたり、手に入りそうならば、その立地を吟味選定して、早速5W1Hをあてはめてみましょう。
例えば海岸に物件があったならこう考えてみます。
WHOは漁師・サーファー・観光客etc、
WHENは昼食時・午後おやつ時・夕食時、朝と深夜はなしだろう、
WHATはやはり海のものを主流にしよう、
WHEREは海のイメージソングが絶えず流れ、過ごす椅子は船のキャビンにあるようなものにして、店内何処から見てもわかるように本物の船を飾ってしまおう。
WHYは若い人が多いから・地元の人に受けそうだから・観光の人に受けそうだから・珍しいからetc、
HOWは面白いメニュー・ボリュームのあるメニュー・ここだけの食材を使う・変わった食器を使うetcなどなど、最後にまとめてみるのです。

 【この海岸によく来るサーファーの若者達が遊びつかれた午後、お腹がすいて通りがかったとき、つい入りたくなる店で、疲れたときでも癒される空間として利用してもらう、若い人が充分に満足してくれるメニューとこだわりを感じさせる演出があり、価格は彼らがお値打ちを感じられるように設定する。店】
 とまあこんな具合でしょうか。

 さてこの後に先ほど申し上げた4つのコンセプト表現に入っていくわけです。
 先ず一つ目がインテリアです。先ほどの例から言うと椅子テーブル、飾り付け(ディスプレイ)、化粧室のつくり等が海を意識させることが必要です。もちろん看板やファサード(外観)にもそれが感じられないといけません。
 次に二つ目が商品です。ダレにどのように何を、が主張されていなければなりません。海がテーマだとわかるようにシーフードをふんだんに取り入れ、若者狙いでボリュームがあり、話題性があるように地元にしかない魚が使用されているなどと感じさせなければいけないということなのです。
 そして三つ目がサービスです。接客の中のお辞儀ひとつとってもコンセプトによっては違いを創らなければなりません。簡単に言いますと、いらっしゃいませを言いながら頭を下げるのと、相手をしっかり見て言い終わってから頭を下げるのとは全然違った印象になります。 前者は気さくに感じ、後者はかしこまった感じになるのです。コンセプトはこんなところでも表現できるのです。
 最後の4つ目がプライスです。価格は安ければいいというものではありません。お店の価値はお値打ち感で決まるのです。高ければ高いなりの、さらに言えばその高い値段を安く感じさせてあげるコンセプト表現ができていれば【この店は良い店だ】とお客様は言ってくださるのです。とはいえ最初に決めたコンセプトに合った値段設定をすることは忘れてはいけません。

新規開店や今営業中の皆さん、今一度自分の可愛いお店を見直してみましょう。何か忘れたものが見つかるかもしれませんよ。

つづく

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