コラム

KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』

2025年1月8日

Vol.159 ブルーオーシャンを狙う焼肉店

あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

2025年は、どんな年になるのか、去年は元日に大変な地震災害が能登で起きてしまいましたね。

なんだか、びくびくした新年を迎えたのは、私だけでしょうか。

我々の業界は、たくさんの課題を抱えたまま新年迎えたわけですが、なんとか乗り切っていかなくてはなりません。

ですが、いままでもいくつかの試練を超えてきた皆さんは大丈夫です。

毎日を今までどおり、元気に頑張りましょう。

年が明け、さっそく街を歩いてみましたが、年々正月気分が感じられなくなっていると思うのは、私だけでしょうか。

昔は、家々の前には門松や正月飾り、車には縁起物の飾りがあって、着物姿のご婦人が珍しくもなく見かけられたものですが、極端に減ってしまったように感じます。

正月だからと浮かれ気分ではいられない時代が長く続いたせいでしょうか。

収入はお隣の国に抜かれ、デフレが長く続いて、質素に生活しなければならないことに慣らされた我々は、先進国では最も安い物価の国民なのに、効率の悪い年行事や祭りごとに、お金を使うことができなくなってしまったのでしょうか。

いやいや、私も帰り道に734円(税込)の「たこ焼き」が777円になった今、買う気が躊躇し、考えてしまうという情けない自分現象に嫌気がさします。

アメリカじゃ「たこ焼き」が2500円だと自分に言い聞かせて買いましたが、情けない日本人代表です。

物価高騰は今年も春に向かって、まだまだ続く傾向に変わりません。

メディアの正月報道が終われば、消費者不安を煽る報道が再開されるでしょう。

消費者の財布のひもはさらにしまっていくのは想像できますね。

先月、消費者の物価高騰対策調査では1位は「自炊」でした。

つまり、外食を控えるということです。

やれやれ、暗いですねえ。

ですが、ただ、落ち込む必要はありません。

これは低所得層の話です。

レッドオーシャンの戦いをしてきたわけではない顧問店の皆様には、まだ踏ん張っている中間層と全く減らないリッチ層が健在ですから、ブルーオーシャンを狙う手と中間層の囲い込み戦略が充分残っています。

レッドオーシャンは大手チェーンに任せておきましょう。

さて、今回はそのブルーオーシャンを狙って営業している「焼肉店」に行った時のお話です。

個室に通され気分よく座ると、こうスタッフの方に言われました。

「お肉は私どもで焼かせていただきますが、よろしいでしょうか?」

同意した私たちのために、程よく焼いてくれたお肉はどれも美味しく、この手間は付加価値大ですね。

焼きながらの肉の説明も、肉による調味料の味変も付加価値です。

考えられたもてなしの策は立派に成立していました。

ですが、食事後の、ご一緒したご婦人方の感想は「とても良かったけど、なんだか満足感が足りないわねえ」でした。

確かに〆で提供された、飯物は小ぶりの「おかゆ」でした。

私も「いやあ、満腹!」とは口にできませんでした。

上品に食事会が終わったな、という感じでした。

ですが、原価を考えればここまでが精いっぱいでしょうというのが専門家の見解です。

「〆で蕎麦でも食べますか」と呼びかけたら「そうね、そうね。」

二つ返事でOKが出る始末、蕎麦屋で仕上げて機嫌よくお帰りになった閉幕でした。

店があと5百円上げて〆が良ければ・・・なんですが、上げにくいのでしょうね。

ホント、大変ですが頑張りましょう。

お客様の笑顔を創りましょう。

では、また。

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