コラム

KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』

2024年6月11日

Vol.152 網棚撮影が人気!中華店の意外な成功

こんにちは、6月を迎えました。

今年の梅雨入りは遅くなりそうですね。

ただ、どうも安定しない天気が続いています。

我々の業界にとっては、野菜の価格が気になるところです。

都内のスーパーではキャベツが1個850円なんて信じられないびっくり価格が現れたりと、やれやれです。

材料の値上げが続いている今、ダブルパンチですね。

顧問店の皆さんの仕入れを考えるとため息が出るばかりです。

これからも、材料値上げの波が止まりそうにないですから、工夫が大変ですが頑張ってください。

 

さて、今回は、お客様のために新たな設備を設置したら、意図した思いとは違った効果が出て、50%以上の売上UPを実現してしまったお店のお話です。

そのお店は、東京・錦糸町にある中華料理店「フーフー飯店」。

外には女性を中心としたお客様が、行列を作っていました。

アジアの屋台のような外観が特徴的ではありますが、決して珍しい感じはありません。

ですが、店の中は満席で、楽しそうなお客様の笑顔でいっぱいです。

普通の店との違いと言えば、各テーブルを見ると頭上に網棚が設置されていることぐらいでしょうか。

ところが、これが、行列ができる原因だったのです。

お店はなんでこの網棚を作ったかと言えば、来店するお客様の荷物置きを考えたとき、床においてもらうのは嫌がるお客様が多いだろう、荷物かごを置くことも足元が狭くなるのは、お客様が煩わしいだろう、などと考えた結果、頭上に網棚がいいだろうとなったようです。

「そんなことで、お客様が行列を作るんかい!」と思った方、その通りです。

それが理由で行列ができたわけではありません。

お客様が違う使い方をしたことがきっかけで、多くのお客様を呼ぶことになったのです。

この網棚で頭上から撮影された動画がきっかけだったのです。

普通のお店では撮影者は映りません。

食事の内容・食事中の友人家族などは映りますが、自分は入りませんね。

また、撮影者は撮影のたびに、会話や食事を止めなくてはなりませんし、相手も構えてしまいます。

ところがこの網棚にスマホをセットしてスイッチを入れ、ほったらかしておいておけば、自然な全員の様子が撮影できるのです。

また、上からのアングルでテーブル全体が撮影できるという映像は珍しいというわけです。

最近ではプリント写真も真上から撮影できる機種が登場。

これまでにない写真が撮れると話題を集めているのは、時代がSNSの時代ということでしょうか。

メニューはチャーハンやラーメンといった、いたって普通のお店です。

商品も美味しいですが「キラーコンテンツ」と呼べるものがあるかというと、そうでもありません。

近頃の飲食店選定の決め手はZ世代中心にインスタグラムの動画が中心となっていることが調査で分かっていますが、まんまとそれにハマったとしか言えませんね。

でも、これだけは言えるという理由があります。

お客様の利便性や居心地の良さを考え、そこに少し費用がかかるかもしれないですが、思い切って設備投資をした店主の真心が通じて神様がご褒美をくれたのではないでしょうか。

ホント、大変ですが頑張りましょう。

お客様の笑顔を創りましょう。

では、また。

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