コラム

KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』

2024年4月9日

Vol.150 人手不足で深夜営業縮小する飲食店の現実

こんにちは、4月を迎えました。

例年なら桜が満開で、少しは気持ちが晴れやかになる時期ですが、東京は12年ぶりの遅咲きだとかで、ようやくの開花ですね。

気温は突然5月後半の24度に上がるなど、どうも調子が狂います。

顧問店の皆さん、体調にはくれぐれもご注意ください。

飲食業界は相変わらず、厳しい状況が続いていますね。

桜が咲く春の訪れをおしえてくれる明るい気分になる時期ですが、消費税などの納税の時期でもあり、頭が痛い方も多いのではないでしょうか。

「なんか、税金のために働いているような気がしますよ」なんて言葉が、あちらこちらの社長から聞こえてくるのもこの時期です。

まだまだ業界は冬かもしれませんね。

 

さて、街の飲食店の様子ですが、変わらず、夜のお客様の動きが鈍いようです。人手不足も解消の気配がありません。

前回に引き続き猫の手も借りたい今、営業にもかなりな影響が出ているようです。

今回は、またまた、そんな店に出合ったお話です。

あ~ぁ。

「ちょっと今日は遅くなったから、サクッと行ける中華にしましょうか」という社長と中華居酒屋に入りました。

「お好きな席へどうぞ!」元気な女性スタッフの声を聴きながら、適当に座ってメニューを開きましたが、もう、珍しくなくなった「こちらのQRコードからご注文お願いいたします」の女性スタッフに従って、言われるまま、いくつかの注文をしました。

業界の皆さん、人手不足解消のためのツールはどんどん取り入れているのですね。

お客様も違和感なく使いこなしているのが見受けられます。

1時間ほど経ったころ、スタッフの女性が何か告げながら、各テーブルを回り始めました。

何だろうと思っていると私たちのところにもやってきました。

「お客様、そろそろ閉店でございます。

追加の注文はありますでしょうか?」

「え、もう終わりなの?まだ8時半だよ。」

「はい、9時が閉店でございます。」

「え~!」

二人で声を上げてしまいました。

「ずいぶん早い閉店だねえ」という私たちに、「コロナの流行以来、9時に閉店を決めましたが、コロナが終わっても人手が確保できず、今も9時までなんですよ」と彼女は説明するのでした。

すると、その様子を見て、近くのテーブルをバッシングしていた店長らしき男性が口をはさんできました。

「何とか遅い時間まで戻したくて、募集広告を出しているのですが、全く反応がないんですよ。

すいませんねえ。」

これを聞いた私たちは「そうなんだ、大変だね」というしかありません。

ホントに人手不足は深刻です。

牛丼チェーン大手のすき家は、4月3日午後10時から翌日午前5時までに注文した商品の合計金額に、深夜料金として7%を加算することを発表しました。

人件費の高騰に対する対策だそうです。

米国産牛肉の値上がりや配送コストの上昇の要因から10~50円の値上がりがあっての追加措置です。

深夜時給をアップしなければ営業が維持できないのでしょう。

居酒屋などの業態は同じような施策もやむなしかもしれませんね。

ホント、大変ですが頑張りましょう。

お客様の笑顔を創りましょう。

では、また。

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