コラム

岩本留里子の『よい店長から盗め、ダメ店長から学べ』

2009年6月5日

Vol.1 FF(ファーストフード)チェーン店 A店長

今月から「よい店長から盗め、ダメ店長から学べ」を連載することになりましたフードビジネストレーナーの岩本留里子です。(プロフィール
飲食業界に身をおいて15年間、これまでにアルバイト・店長・SVを経験した中で、自分が見てきた店長や自分自身が店長として経験したことなどを掲載していきます。

よい店長のポイント

作業などにはすべて理由づけをする(ただ厳しいだけでは理解されない)
動線を考えることにより生産性を上げていく
作業の指示を出したら必ずチェックする。出来ていなければすぐに指導する
徹底して行う、妥協を許さない姿勢をとる
店長自らがお手本になる。言ったことは、絶対に自分も守る
今回はポイント4.について一言。
お店は決め事をしても、いつのまにかテキトーになってしまい、誰もその事に気づかないといった状況が往々にしてあるものです。それをしっかりくい止めるのがよい店長というわけです。
私の経験したFFの店長は「ポイント4 徹底して行う、妥協を許さない姿勢をとる」についてとにかくしっかりした方でした。特に陳列・清掃についてはきびしく指導していました。考えれば、飲食店のクレンリネスは経営の土台ですから、基本のキを現場の責任者として重要にとらえていたのかもしれません。
ちなみにこんな事をやっていたとういう陳列と清掃の具体的な内容をまとめてみました。ご参考に。

●陳列
商品はすべて棚割が決まっている。その根拠は動線で考えられている。

1.陳列のポイント

上段はあまり使わない物、中段はよく使う物、下段は重い物を陳列する
よく使うものは取りやすい場所にしまう
食材はまとめて置く
扉にはテプラなどで作ったラベルを貼る
段ボールは品名がわかる様に設置する
段ボールの開け方も決まっている。上の部分のみをカッターで開ける
(※開けすぎてしまうとずれ落ちてしまう。小さすぎると取りにくい)
ドリンクカップなどは、たくさん量が入るように交互に入れるようにする
冷蔵庫・冷凍庫も陳列が決まっており、衛生管理も遵守する
各機械の上には、その機械を使う商品を配置する

●店舗清掃

1.店舗清掃のポイント

清掃の仕方から順番まで規定に沿って行う(上から下の順番で清掃する)
グリストラップは毎日行う(溜め込むのではなく毎日行うことで負担を減らす)

2.ホール内の心得

床にゴミが落ちていたら拾う
フロアーは濡れていたらすぐモップで拭く
イス・テーブルや周辺木部は、汚れたらその都度ダスターで拭く
ウォーターピッチャー付近は水漏れが多いのでこまめに拭く
ステーションは常に整理整頓し、ダスターで吹き上げ、清潔な状態を保つ

3.トイレ清掃のポイント
当り前のトイレ掃除ですが、隅々まで掃除(トイレ床近くのポッチの部分まで)することをアルバイトに徹底させるのは難しいものです。その為、アルバイトが清掃した後は店長がチェックします。(アルバイトといえども陳列・清掃が出来てなければ、その場で呼び出し、やり直しをさせます。仮に帰宅していても呼び出します)

写真とチェックリストで確認しましょう

 

この様に陳列・清掃など、規定に沿って徹底させることは、アルバイトは辛いかもしれません。鞭ばかりではなく飴も必要となります。厳しい店長を夫役と考えれば、店長の言うことは徹底して行い、怒られたアルバイトにはフォローの声を掛けるなどの女房役になる副店長や主任が必要な事も考えておきましょう。コミュニケーションをうまく取ることも重要だからです。

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