コラム

たかさきたけしの『社長から見る“黒字社員、赤字社員”』

2017年10月10日

Vol.16 赤字社員を変える社長力

「人手が足りないのでいいサービスができません」

「時間がなかったので新商品を作成できません」

「経費が使えないのでアイディアが考えられません」

よく出会う言葉です。

もっともらしい理由ですが、これらには裏の言葉も解釈できます。

「少ない人数では大変で苦労するからやりたくない」

「少ない時間じゃ、いいものがどうせ作れやしないからやっても無駄」

「どうせ金のない会社だから考えたって経費を出してくれないのだから考えても無駄だ」ということでしょうか。

赤字社員の典型的な考え方です。

これらの考え方は、はたしてそうなのでしょうか。

人手がたくさんあって、幹部や社員がたっぷりの時間を有し、会社が潤沢な資金を持ち経営を行っている会社がどれほどあるでしょうか。

私がお付き合いしている会社のほとんどは、日々をぎりぎりで過ごしています。

そんな中でV字回復、安定経営を勝ち得た会社がないわけではありません。

そんな会社は黒字社員がいるのも間違いありません。

《30分ぐらいでは何もできないと考えているより、世の中の一番つまらぬことでも、する方がまさっている》〈ゲーテ〉

と言う言葉のとおり、彼らは人手不足の中、最良のサービスを日々模索し、仕事の合間を縫って商品を考え、面倒がらずにアイディアを出し続けたのです。

「ウチにはそんないい社員はいないんですよ」という声が聞こえてきそうですが、もちろんそんな社員が最初からいるわけはありませんね。

Ⅴ字回復の会社にも最初から優秀な社員がいたわけではありません。

赤字社員の彼らが変わっていったのです。

ではどうして変わったのでしょうか。

彼らに尋ねるのが一番早いので聞いてみました。

「社長があれだけ真剣に毎日毎日頑張ってるのを見てて、やらないわけにはいかないでしょう」

「社長や専務が真剣に私の個人的なことまで聞いてくれたんですよ。

金や物はくれませんでしたけどね(笑)」

「なんか、仕事が楽しくなったんですよね」

「あのころは、夜遅くまで語り合って、チームを実感したんですよね」

絆を感じる仲間意識が伝わってくる返事でした。

《しなくちゃいけない仕事には、何か楽しめる要素があるものだ》〈ディズニー〉

という言葉を思い出しました。

絆の要である社長の行動や言動が想像できますね。

社長が真剣に社員と向き合ったということなんでしょう。

ある社長からこんな言葉を聞いたのも思い出しました。

「ウチの会社は、ハエみたいな困った社員ばっかりなんだと思っていた時があったけど、その時は何をやっても進展がありませんでした。

ある時、オレがウンコだからハエが集まってくるんだ。

オレが花にならなければいけないと改めたころから蝶のような社員が現れ始めたんですよ」。

赤字社員をつくっているのはトップかもしれませんね。

気をつけましょう。

ではまた。

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