コラム

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2006年9月11日

トレーニングの重要性(2)

今回はトレーニングで効果的に成果を上げるための基本的な流れの手法についてお話してまいります。
トレーニングは「体験」させることではありません。トレーニングとは業務であるので、トレーナーが教えることによって「効果」がなくては意味がありません。つまり、出来映えをできるだけ早く、そしてそれが必ず継続する形で実現させていくこと、これが必須になります。「教え方」は様々にありますが、効果的に成果を上げるためには「コツ」があります。常に一定の流れに従って行い、そしてその進捗を正確に把握していれば、高い水準で一定の効果を上げることが可能です。また、人によってのムダやムラをも最小限にとどめることができます。では、トレーニングの基本的な流れの手法を詳しくお話してまいります。流れには四段階ありますが、今回は第一段階についてお話します。

1)仕事の目的と責任範囲の説明、目標設定と合意
 前回お話しした通りトレーニングとは「共同作業」です。一方的に仕事のやり方だけを教えるのではなく、いかに参加させるかがポイントとなります。トレーニングを行なう上でまずやるべきことは、仕事の目的と出来映えを説明し、どのようにできれば、「合格」なのかを伝えて、教える側と教わる側が互いに合意する段階です。この段階では、できれば現場でだけでなくミーティングを行うことで、効果が増していきます。これを「off J T」(オフ ザ ジョブ トレーニング)と呼びますが、現場で実践を交えて行なう「OJT」(オン ザ ジョブ トレーニング)と合わせて行なうことによって効果が増します。体と頭を動かし、表現するのが仕事の完成形なのですが、その完成形やそのためのポイントなどを頭で整理して、さらにイメージさせることによって、現場での理解をスムーズにし、トレーニングを円滑に進めることができるのです。さらに、ミーティングを行うことで良い緊張感を生み、トレーニーの士気を高める効果もあります。具体的にこの段階での事例を挙げてみます。

〈今日教える仕事〉
「バッシング」と「セッティング」

〈仕事の目的〉
お客様の帰った後のテーブルをきれいに片付け、次に訪れるお客様が座るお席の準備を行なう

〈今日の責任範囲と優先順位〉
1)バッシング&セッティング
2)ステーション内補充
3)清掃などサイドワーク

 〈仕事の出来映え〉
いつも笑顔で元気よく、卓番及びバッシングとセッティングの正しい方法をマスターしており、ステーション内の作業を行ないながらバッシングが発生した際には全て自分の判断によって優先し、素早く行なうことができる。また、ステーションの正しい状態を常に維持できる。

以上、メモを取らせながら、かつトレーニーの意見も聴きながら、また、「あなたの今日の役割、使命だよ。あなたならできるよ」とモチベーションを上げながら、最終的にトレーニーが「やります」と「合意」をして終了です。合意をしたら自分がやると決めた本当の「目標」になるからです。
次回は第二段階の話をしてまいります。

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