2005年10月12日
サービス、作業の優先順位(1)
今回からはサービス、作業の優先順位の重要性についてお話してまいります。
さて、前回まで出来映えの重要性についてお話ししました。ひとつひとつの作業やサービスについて出来映え通りにできるようになった後、重要になるのが「優先順位」です。飲食店のホールに関しては、ご案内、お水提供、オーダーテイク、料理やドリンクの提供、食べ終えた什器の中間下げ、お水やコーヒーなどのお替りのサービス、取り皿や灰皿の交換、テーブルの片付け、ステーションの整理や各種補充、会計やお見送り等様々な仕事があります。「仕事は段取り」と言われるように、効率よく仕事を進めるために、また、お客様にご迷惑をかけないでスムーズにサービスするためにも「優先順位」は重要です。
例えば、お客様がオーダーを取って欲しいと思っているのに、テーブルの片付けをしに行っていたらどうでしょう。お客様は早くオーダーテイクしてほしいのに、後回しにされていると不満を感じるでしょうし、オーダーを取らないのですから、当然、料理の提供もできません。優先順位をひとつ間違えるだけで、一連のサービスの流れを止めることになるのです。ひとつずつ仕事をやり終えることができれば良いのですが、ピーク時などはいろいろな仕事が同時に重なってしまうので、どこから手をつけていくかが非常に大切なのです。時には4つも5つもの仕事が重なる場合も少なくありません。
自店のサービス、作業の優先順位を明確にしておき、それを従業員全員に周知徹底させていくことはとても大切です。優先順位のつけ方は、お店のコンセプトやつくりによって多少異なりますが、基本的には「お客様に直接接すること」は上位に、「作業的な仕事」は下位にというようにするとよいでしょう。例えば、オーダーテイクやご案内、料理提供などは上位に、また、テーブルの片付け、ステーションの整理などは下位になります。
これらは当たり前のことのようですが、明確になっていないとさまざまな弊害が生じやすくなります。まず、オペレーションが安定しない原因にもなりますし、各個人で優先順位が違う動きをすると当然のことながらサービスにバラツキが出てきます。スタッフ同士の諍いにもなりかねません。
これらを防ぐためにも自店の「優先順位」を明確に統一し、周知徹底させることは、接客サービスにおいて大変重要な事項といえます。
次回はもっと掘り下げて「優先順位」の重要性についてお話してまいります。
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