コラム

KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』

2024年8月12日

Vol.154 飲食店の災害対策と心構え

こんにちは。

8月を迎え、連日メディアは、パリオリンピックでの日本人の活躍を伝えていますね。

熱い戦いは涼しい部屋で見ることができて楽しいのですが、気温は夏真っ盛りで、連日猛暑。

飲食店の厨房を想像すると気の毒な様子が浮かびますから、ホント心配になります。

皆さんくれぐれもお身体をご自愛ください。

“円”は急激に上下を繰り返し、株価も連動して大きく下がったと思ったら、大きく戻すなど経済も不安ですね。

世界からは戦争の危機がいくつも聞こえてきています。

こんなに不安定な状況で商売を頑張っている皆様のことを思うと頭が下がります。

災害だけは起きないで欲しいと思っていたら、宮崎で震度6の地震が起きたというニュースが飛び込んできました。

それも、長年お付き合いしている宮崎日南の社長の街が最も大きな震度6だということで、すぐに社長の顔が浮かびました。

無事だろうか、大変なことになっているのだろうか、電話して邪魔にならないだろうか、いろいろ考えが巡りましたが、心配の気持ちが強く、連絡を取りました。

電話口から元気な声が聞こえてきたときはホッとしました。

「連絡ありがとうございます。

いやあ、びっくりしました。

仕込みをしている時で、スタッフもいたので、ただ、『逃げろ』と叫んだのだけは覚えているんですが、他のことはあまり記憶にないんですよ。」

そうなんです、お盆の帰省の時なので、この日も12組の予約が入っていて、その仕込みをしていたそうです。

自分の所にも、いつ来てもおかしくないとは思っていたそうですが、いざその時には慌てたそうです。

「落ち着いてからは、スタッフの家族や家が心配なので、店のことはそのままでいいからと言って、すぐに帰宅させました」ということです。

「その後は、次から次に入るキャンセルの電話の対応に追われました。

キャンセルが入らないお客様には、こちらから電話をかけてお断りしました。」

災害が起きたときはどう動くかというのは、普段からシミュレーションしていたので、そのことが役に立ったということです。

「店の被害は?」と尋ねると、「棚からは酒類はみんな落ちてしまいました。

店内はその破片でいっぱいなので、片づけるのが大変そうです。

もう今日はこのまま帰ります。

幸いスタッフたちは大きな被害はなさそうなので、明日は出勤してもらって店内を整理します。

前々から取り付けた方がよいとは思っていたんですが、棚には防御柵がやはり必要ですね。

営業はできるようなら明日やりますよ!」

電話でのやり取りの最後は力強く、こちらが元気もらうような言葉を聞けて、逆に安心をもらえてうれしい気持ちになったのでした。

皆さんも、私もですが、災害を他人事と考えることなく、ある日突然、自分にもあることなのだという心構えと備えが必要ですね。

会社で、店で、そのことのミーティングを普段行っておくべきでしょうね。

ホント、大変ですが頑張りましょう。

お客様の笑顔を創りましょう。

では、また。

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