コラム

KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』

2022年10月11日

Vol.132 メニュー写真でお店の印象をアップ

こんにちは。

10月になって、秋らしさが少し感じられるようになってきましたね。

新型コロナの感染状況は、欧米とはまだまだ差がありますが、街の様子はコロナ前に近づいてきた感じがします。

特に休日は、東京都内の主要駅や繁華街などは人出が目立つようになり普段の生活に戻りつつあるようです。

飲食店が本当に戻るのはまだ先でしょうが、少し活気を取り戻し始めているのが見えますね。

もちろん多くの飲食店の経営状況が良くなっているわけではありませんから、しばらくは悪いニュースが流れるでしょう。

何とか踏ん張って生き残ってもらいたいと切に願うばかりです。

さて、今回は街視察で、一人で食事処のお店に訪問した時のお話です。

どこにでもありそうな気軽に入れそうな定食屋という感じで、暖簾を分けて入ると元気なオバちゃんの声が迎えてくれました。

「いらっしゃいませ、これが定食メニューです。

他はここに書いてありますからね」

オバちゃんはそう言いながら壁に貼ってある短冊を指さして教えてくれました。

これはこれでいいんです。

こういう店にマニュアル的な接し方はかえってして欲しくありません。

私はすぐにメニューを開きました。

そこには写真が貼られた商品のラインナップが数ページにわたって展開されていました。

〈あらあら、よくあるメニューの残念な作り方だなあ。〉

綺麗なメニューブックに表現されていた定食料理の写真がチョット残念なことになっていました。

どういうことかというと、すべてがお客様の食べる方向から、つまり正面から撮られていたのです。

左側にライスが置かれ、右側にお味噌汁、そしてその向こう側にメインディッシュという具合です。

このような撮り方をするとライスとみそ汁が大きく映り、メインが小さくなってしまうのです。

お客様に、お店が見てほしいのは、メインの料理のハズですが、メイン料理の美味しさが伝わらないのです。

これほど残念なことはありません。

おそらく、撮影者はとても真面目な方なのでしょう。

お客様が食べる方向から撮影することを疑いもなく行っているのですね。

でも、メニューを見るお客様はメイン料理の美味しさを感じたくてメニューブックを眺めるのですから、手前にメイン料理を置いて撮影するべきなのです。

〈この写真を見たらキット食べたくなるぞ〉と考えて撮影を行えば、気が付くことなのですが、定食はこの並べ方だからと機械的にやってしまう結果が招く残念表現と言えるでしょう。

ライス・味噌汁の脇役を目立たせて、主役が影になるような料理写真は絶対避けるようにしなくてはなりません。

もちろん、お客様に商品を出すときは食べやすいように定番のセッティングでお持ちすることは言うまでもありません。

〈メニュー作成は美味しさの表現〉であることを意識して行いましょう。

ホント、たいへんですが何とか頑張りましょう。

お客様の笑顔を創りましょう。

ではまた。

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