2021年11月8日
その209 社会貢献はルールを守ることから
「だいぶコロナは収まってきたね。
新規感染者数も少ないし、あまり神経質にならなくてもいいかもね。」
「それはダメでしょ。
感染拡大が収まってきたからといって、ノー天気に油断するなんて。
また広がったら、あなたみたいな人が原因だわ。」
「いやいや、おいらは油断しないって。
神経質にならなくてもと言ってるだけで。」
「神経質なぐらいでちょうどいいのよ。
我が家のルールは変わらないわ。
手洗い・うがい・帰宅したらすぐシャワー・マスクとスマホを拭いたティッシュの捨て場は専用ゴミ袋等など、ちゃんと守ってよね。」
「そうね、ちゃんとしないとね。はぁー。」
全国19都道府県に発出されていた緊急事態宣言が解除されてから1カ月以上がたちましたね。
ワクチンの接種が進んだこともあって、新規感染者数が全国的に激減。
東京都など首都圏4都県と大阪府が新型コロナウイルス対策として飲食店に要請していた営業時間短縮が10月25日、解除されました。
希望が見えてきましたが、コロナ感染流行の第6波への懸念は消えていません。
業界の取り組みもカギになりそうです。
【社会貢献はルールを守ることから】
緊急事態宣言が完全解除され、飲食店も酒類提供を含む通常営業が始まりましたが、お客様の戻りは、今のところ、コロナ前の60~65%にとどまり、決して喜べる状態ではありません。
度重なる感染拡大で負った傷は深く、経営が元に戻る見通しが立っていない店舗も多いのではないでしょうか。
東京などでは、自治体の対策である〈感染対策認証〉を受けていなければ、公に通常営業をアピールできないため、ソーシャルディスタンスやパーテーション設置を完璧に行うと、まともな売上があげられる状況にならない席数になってしまうことも当然、影響しています。
キチンとルールを守っていることが売上を上げられないというストレスを生んでいるのです。
「でも、休業や時短で全く努力さえできない状況に比べれば、ありがたいことだと思っています。
努力できるし、お客様の顔がみられるんですから。
それに、他の業界に比べて協力金などももらってきたわけですから」などと、謙虚に話す社長に出会うと、頭が下がります。
そんな中、残念なニュースが流れてきました。
〈飲食店などが新型コロナウイルスの感染防止策を徹底していることを自治体が認定する「第三者認証制度」について、21都道府県のうち8都府県で計122件が取り消されていたことが分かった。
防止策を偽っていたことなどが理由だ。
営業時間短縮の要請解除後、認証を受けた店でも対策の緩みが散見されるなど、事後チェックの徹底が欠かせない〉というものです。
〈感染対策認証〉を受け、ステッカーをもらい、優良店アピールをしながら、内容はその基準を全く守らずに営業を続け、悪質業者として、摘発されたとのことです。
多くの店がルールを守り、真面目に経営を続けている中、一部の悪質な飲食店のために、業界全体のイメージが悪くなるのは断じてあってはならないことです。
私たちの仕事は、社会の皆様の元気を創る・皆様の癒しの一助となるなど、単に空腹を満たすためだけに存在しているわけではありません。
また、逆にお客様に元気をもらい、生かされていることも確かです。
生き残るためとは言え、社会のルールを犯し、悪徳な方法で商売をすることは存在意義を問われることだと思うのです。
飲食店での会食が原因で感染が再拡大したとなると、感染源は飲食店、社会の悪だと言われかねません。
会社や店は社会貢献があってこその共存なのです。
ルールを守って、辛抱で励んでいただきたいと思います。
負けないでくださいね。
ではまた。
石田義昭『飲食店繁盛ダネ!』
“繁盛仕掛け人”石田義昭が飲食店開店の秘訣から売上増進の策および、日本各地の販売促進事例をわかりやすく解説、紹介します。
井上奈々子の『食の豆々知識』
飲食店における重要なメニューの考え方、作成方法、そして商品開発の極意など、繁盛につながるヒントを余すところなく紹介します。
KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』
実践コンサルタントが各地を回りまさに“事件は現場で起きている”を心に目を光らせ、見つけた問題点を鋭く指摘、改善を容赦なく進言、普段の行動の様子を紹介します。
飲食店経営のあらゆる
お悩み、相談、ご質問をお受けします