2021年8月10日
その206 減収減益の今考えること
「駅前のお店がまた変わってたわよ。
今度はから揚げの居酒屋さんだわ」
「焼き鳥だった店がウナギの店に変わったのに、今度はから揚げかぁ」
「うどん居酒屋もラーメンに変わってた。
閉まってる店も2件あるけど、もうやらないのかしら」
「あぁ、ホントに飲食店は地獄だな」
「あなたは変わらなくて大丈夫なの?」
「・・・」
〈緊急事態宣言発令〉〈まん延防止措置発令〉が全国に広がり始めました。
東京の感染者は5,000人を超え、2週間後の予想は1万人超えです。
TVでは連日オリンピックの日本人の活躍が伝えられ、感動のドラマを演出するメディアは、はしゃぎまわっています。
オリンピック・インバウンドに大きな期待をしたにもかかわらず,商売をさせてもらえない飲食店の気持ちは置き去りとは、何とも矛盾を感じますね。
更なる忍耐が必要です
【減収減益の今考えること】
2020年度〈閉店5230店(265社)〉〈10年ぶり減収〉などの文字が新聞などで見出しになっています。
コロナ禍、当然と言えば当然の数字でしょう。
デリバリーやファストフード・テイクアウトが好調とはいえ、イートイン業態、特にアルコールが中心の業態は散々な日々を送っているからです。
また、アルコールとはそれほど関係がない店でも、地方の店では、消費者によるコロナ禍に対する恐怖心が、都心部の慣れた消費者に比べ、格段に警戒心が強いという影響を受け、客足を弱めた傾向にあり、それは今も変わっていません。
地方のレストランから電話が入りました。
「ついに私の街にも宣言が出ました。
お盆の時期の予約のキャンセルの電話が、次々入っています。
心が折れそうです。
役所のHPを見ると、支援の協力金などはまだ何も決まっていないようなんです。
我々はどうしたらいいでしょう。
今度のミーティングは今後の店のあり方を相談させてください。」
店は安心安全を見える化する努力を続けています。
マスク・アルコール消毒液の常備、換気を整える設備・検温機やCO2検知器、そして空気清浄機の導入、更にキャッシュレス化の導入など、これらは飲食店にとって、安心安全の必須条件とも言われるものですから、無視するわけにはいきません。
感染対策に要する費用は確実に上がっています。
当然減益の原因となっているわけです。
ただでさえ客足が落ちているところに、宣言では更に消費者の動きを止めることになるため、売上は下降して、経費は上がり、支援策も期待できそうにありません。
コロナ禍の収束は、ワクチン接種の現状のペースから推測すると、9月末から10月中旬までには感染者の数が減少に向くと思われます。消費者の行動は日常に向かうはずです。
ただし、完全にコロナ以前に戻るかと言えばそうではなさそうです。
コロナ感染は0になることはなく、低い数字で上下を繰り返すことになるでしょう。
飲食店の利用は、消極的な人が一定層残るでしょうし、デリバリーやテイクアウトの攻勢は更に強さを増しそうです。
経営環境は決して良くなるとは言えないのです。
そこで、考えなくてはならないのは、業態の最低限の変更や場合によっては大幅な移行作業です。
営業時間の変更・営業日の変更・テイクアウトの充実・デリバリー業者の活用や店舗レイアウトの変更、厨房内オペレーションの変更・昼夜2毛作業態の開発など、前に進めることと、発展型を模索することでしょう。
いろいろと考えて進んでいきましょう。
辛抱で励んでいただきたいと思います。
負けないでくださいね。
ではまた。
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