コラム

KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』

2021年3月8日

Vol.113 笑顔のために準備を

3月に入り暖かい日が増えてきました。

もうすぐ、桜も咲き始めますね。

穏やかな天気とは裏腹に、世間はまだまだ、新型コロナ感染の流行に振り回され続けています。

緊急事態宣言発令から、もう2ヶ月が経ち、ようやく関西方面は解除されましたが、一都三県は2週間の延長となってしまいました。

最近、顧問店の社長と話をしていて気になることがあります。

「前回の緊急事態宣言の時は、お客様の応援の声が多くあったのですが、今回はどうもそれが少なくなってきています。

逆に〈金いっぱいもらえていいだろう〉なんて嫌味をいう方もいて、ホント悲しくなりますよ。」

どうも、お客様によっては、飲食店を見る目が変わってきているようなのです。

確かに緊急事態宣言下にある飲食店は、協力金として1日当たり6万円が出ますね。

小規模な店でパパママ店として家賃が安い物件で営業しているような店は、恩恵があるのは事実です。

飲食店がターゲットになっている今回の政策では、他の事業者はほとんど支援がありません。

緊急事態宣言の悪影響を受けながらも、支援がない方々がたくさんいらっしゃいます。

そんな方にとっては1日6万円の支給はうらやましくもあるのでしょう。

ですが、ビジネス街・繁華街でそれ相応の規模を構え、従業員も多数を抱えているという店では固定費を賄えないといった店も多く、また、その協力金も手元に届くのは早くて5月でしょう。

これまでに、つなぎで借りた融資も消えているお店も多数あります。

政府には規模に応じた支援を願わずにはいられません。

更に、気になるのは、ここまで追い詰められてくると、経営判断に萎縮が生じてしまうということです。

苦しい状況が続いているのは緊急事態宣言の対象地域だけではありませんね。

対象地域から外れていても、利用客の減少で大抵の店は打撃を受けています。

多くの飲食店は疲労が蓄積し相当なダメージを負っているのではないでしょうか。

最近では、「我慢するしか」と諦めの声も多く聞かれます。

ですが、嘆くことや諦めは、何も新たな道を見出せません。

時短自粛はもうすぐ終わるのです。

もう少しの辛抱でお客様は、またやってきます。

我々は、お店を始めるときに、お客様との触れ合いや、自分の作る料理がお客様の笑顔をつくることが商売になるなんてこんな素晴らしいことはないと考えて始めたはずです。

なんとしても生き残ってまたお客様の笑顔を見ましょう。

顧客名簿を開いて、開店を促すハガキを書きましょう。

Eメールの送付内容を考えましょう。

Facebookを更新しましょう。

Twitterでつぶやきましょう。

インスタグラムで新商品を宣伝しましょう。

店頭のテイクアウト陳列を見直しましょう。

パネルやイーゼルの見栄えを考えましょう。

季節限定メニューの開発も続けましょう。

普段の清掃ではなかなか手の行き届かない箇所も徹底的に磨きあげましょう。

抜けがないように、お客様が喜ぶことは何なのか、毎日、強く考え続けましょう。

お客様が戻ってきたときに、それが新たな道になるハズですからね。

ホント、たいへんですが今月も健康で頑張りましょう。

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