コラム

KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』

2020年7月6日

Vol.105 心を磨く、コロナ禍の教え

「新型コロナウイルス感染症」は、まだまだ収束には程遠い状況ですが、季節はそんな状況には関係なくうつって梅雨を迎えています。

温度も湿度も上がり、所によっては豪雨に見舞われ、河川の氾濫による土砂崩れや浸水など被害が広がっている災害のニュースも聞こえてきました。

熊本県などは本当に心配ですね。

まだ警戒が必要な地域が多くあるようです。

皆様、お気をつけてお過ごしください。

都心の街を歩いていると、明らかに自粛ではなくて、閉店になってしまった飲食店がいくつも確認されるようになりました。

表通りで確認しているだけでも目立つのですから、どれほどの店がなくなっているのか、恐ろしいことです。

帝国データバンクは、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響を受けた倒産件数が、7月3日16時時点で全国で311件に上ったことを発表しました。

月別倒産件数では6月、業種別ではレストランなどの飲食店が最多で、レストラン、居酒屋、喫茶店などの飲食店が49件に上りました。

ただし、法的整理または事業停止となったケースと定義しているのが倒産件数ですから、多店舗経営の企業が縮小したり、数店舗の閉鎖をして生き残っている中小零細企業の閉鎖店舗数はかなりの数に上っているはずです。

さらに、ここに来て「夜の街」(バー、ナイトクラブ)を中心とする感染者数の報道が続くことも影響してか、飲食店の現状は経営者が期待・想定していた解除後の客足・売り上げには程遠いのではないでしょうか。

今、歯を食いしばって頑張っている経営者と接していると、ホントにコロナが憎い気持ちになります。

そんな中、こんな言葉を聞きました。

「大変だけどパートさんのことはできるだけ切らないようにしてるんですよ。

来てもらっても暇なんで、掃除とか、店の点検とか、雑巾を作ってもらったりとか、普段なかなか手が行き届かないことをやってもらってます。

金は貯えが少しあるので、それを使って。

今まで頑張ってくれてたんですから。」

人間味あふれる社長に思わず感動しました。

きっとパートさんもわかっているはずですから、先々必ず力になってくれるでしょう。

こんな良い関係があるかと思えば、

「雇用を守ろうと必死にやってきていますが、先日、ある従業員から、コロナ感染の危険がある中、仕事をしてるんですから、給料を上げてくださいよって迫られたんですよ。」

「売上減の中で、家賃や人件費や水光熱費は運営コストとしてかかり続け、いつまで払えるかといった状況の中で心が折れそうです。

経営者ってこんな嫌な目に合うものなんですかね。

コロナで人間が見えますね」といった話も聞きました。

コロナ禍では、さまざまな出来事が「人間性」を浮き彫りにしますね。

コロナは身体や社会を壊しますが、人間が磨くことも汚すこともできるのが心です。

これからますます「人間性」を試されていくのかもしれません。

大変な時だからこそ、社会や地域、周りの人を考えて心を磨きたいところですね。

必ず、そのことが実るときが来ますから。

ホント、たいへんですが今月も健康で頑張りましょう。

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