コラム

KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』

2020年2月10日

Vol.100 お客様のためにも従業員のためにも

2月に入り、やっと冬らしい寒さになったと思ったら、今週はもう春本番の陽気。

これからは気温の変化が大きい季節。

体調管理には一層気をつけましょう。

1月後半、びっくりするニュースが飛び込んできましたね。

中国の武漢で発生した新型肺炎ウイルスの爆発的な感染拡大です。

あっという間に日本にもその脅威が広がりました。

いつ収束するのか全く予想がつきません。

私のところにも経営者の皆さんから対処の方法をどうしたらいいかという問い合わせが相次いでいます。

マスクをしている店、していない店、アルコール消毒剤を用意している店など、大手チェーンでもまちまちの対処が見えます。

そんななか、とても対処がしっかりした店に出合いました。

適当な店に入ろうと、新橋から銀座へと歩きながら見つけた居酒屋でのことです。

何名かとお決まりのセリフで迎えられた後でした。

「お客様、お客様の予防のためこちらを手にかけさせていただきます。

よろしくお願いします。」

そう言った彼女の手には小さなスプレーが握られていました。

アルコール消毒剤が入った容器でした。

そっと吹きかけてもらい自分で手のひらにまんべんなく広げていると、なんだか安心な気持ちになりました。

何かのニュースでアルコールが一番予防には良いと聞いていたから余計にそう感じたのかもしれません。

レジの周辺にそのスプレー容器は3個見えました。

また、そのスプレー容器はよくある無粋な既製品そのままではなく、化粧品のようにセンスの良い容器だったので、店の雰囲気を壊すような感じは全くありませんでした。

案内されながらバッシングしているスタッフの方を見かけましたが、後片付けをしてテーブルセッティングをしている場面でもそのスプレーを使っていました。

あぁ、しっかり念入りにしてるんだな、安心だなと感じました。

案内をしてくれたスタッフの方から、

「今、大変な時期ですので、お客様の予防のためにも従業員がマスクをつけさせていただいております。

申し訳ありません」と断りがありました。

「いやいや、その方がいいですよ」と答えましたが、今は接客にマスクは失礼ではなく、全くマスクが気にならない世相になっているのではないでしょうか。

お客様のことも大事ですが、従業員を守ることも大切です。

京都では販売員が知らぬうちに感染したニュースが流れました。

他人事ではありませんね。

ここまで世間が騒いでいるのに何の対策もしていない店は考えものです。

繰り返しますが、聞くところによると新型ウイルスはアルコールには弱いそうです。

マスクもインフルエンザより効果があるそうです。

店舗入り口・トイレ・レジ周辺などにアルコールスプレーを設置することや余程の高級店でない限り、マスクの着用もよろしいのではないでしょうか。

お客様のためにも従業員のためにもです。

ホントたいへんですけど、今月も健康で頑張りましょう。

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