2019年4月9日
Vol.90 接客はお店の価値を高める
東京の桜は、残念ながら見頃は過ぎてしまいましたが、今年も桜の名所は大勢の人で賑わっていましたね。
どこも外国人観光客の多いこと、多いこと。
花見は、近年では、訪日外国人観光客のあいだでも知られるようになっており、桜の開花シーズンに合わせて日本に訪れる人もいるのだそうです。
花見目当ての外国人観光客ばかりでなく、近年は、コンビニや居酒屋、レストランなどでも、外人従業員の方をよく見かけるようになりましたね。
すべての外国人が日本語を流暢に話せるというわけではないので、商品説明や細かい気配りは期待できません。
ですが不思議と嫌悪感がなく、心穏やかに過ごせます。
彼らが朗らかであることと、一生懸命だったりするからです。
かえって日本人スタッフの方がいら立つ場合があります。
人手不足のため、きちんと仕事ができていないのに、やめられたら困るからと教育が疎かになっているためでしょうか。
売り手市場をいいことに、職場にも過度な待遇を要求する日本人スタッフもいるようですが、そのような人に限って仕事ぶりは良くないようです。
お客様に対しても自己の感情が先に立ち、やる気のなさや面倒なサービスは明らかに嫌そうな雰囲気が顔に出ている人も見かけます。
職場があり、報酬を得られることに感謝している外国の方との差なのでしょうか。
困ったものです。
そんな話を顧問先の社長としながら、競合店である海鮮居酒屋の視察を行いました。
繁盛店らしく入り口から活気があり、迎えた日本人スタッフの女性は愛想がよく同行の社長もご機嫌でテーブルにつきました。
注文を聞きに来た女性に「この店のおすすめは何ですか?」と尋ねたところ、「はい、〈ポテトフライとチーズ揚げ〉が私大好きなんでお勧めです」と返ってきました。
おやじ二人を前にして、海鮮居酒屋のスタッフが勧めるものではないと驚きましたが、年を聞くと19歳とのこと、なるほど、素直に好きなものを勧めてくれたのでしょう。
ですが、続けて「もちろん、お刺身がウリですから○○盛がお得でおいしいですよ」と言われ、ハッとしました。
おやじ二人が海鮮居酒屋で刺し盛を頼むのはお決まりです。
座る前から、二人とも刺身は頼むつもりでした。
そこに意表を突いたメニュー名が告げられ、二人は健康志向も忘れ食べてみる気になり、「君がそんなに美味しいというなら食べてみよう」と笑いながら注文しました。
もちろん刺身盛もです。
彼女の素直な明るい接客のおかげで、この店は一品多く、商品が売れたのです。
ポテトフライとチーズ揚げを食べていると彼女がやってきて、「どうですか、美味しいですか?」と聞いてきました。
おやじ二人は同時にうなずきながら「美味しいですよ。ありがとう」と答えたのでした。
「良かったぁ、うれしいです。私これ一押しなんですよ。」
そう言いながら去っていく彼女の後姿を眺めながら、「ああいう子が何人かいたら、売り上げは確実に上がりますね」と感心したのでした。
接客は売り上げに直結する。
日本人であれ、外国人であれ、会社の質を高めるため人材教育を考え続けなくてはいけませんね。
さあ、今日もバリバリ健康で頑張りましょう。
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