コラム

KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』

2019年3月11日

Vol.89 機械化時代の接客術

時がたつのは早いものですね。

あっという間の3月です。

今年は桜の開花も全国的に平年より早い開花が見込まれ、特に山陰地方では平年より10日程度早く開花する予想なのだとか。

花粉症で煩わしい体調の方も多いかと思いますがご自愛ください。

先日、業界が違いますが、自宅の最寄駅前にあるスーパーでとても良い気分になることに出会いました。

予期せぬ雨が降り出したので、仕方なく傘を買おうとスーパーに入り、ビニール傘を1本手に取り、レジに並んだ時のこと。

レジの女性は手慣れたベテランらしく実に手早く、テキパキと仕事をこなしています。

服装も身だしなみも良く清潔で、周辺も整理整頓ができていて見ていて気持ちがいい印象です。

笑顔も時折見せ、とても愛想よく応対をしています。

仕事柄感心して見ていたら、あっという間に私の番がきて「○○〇円です」との声。

慌てて手にしていたスマホを台の上に置き、小銭入れを出して現金で支払おうとすると、「申し訳ありません。こちらはカード専用なので、現金は2番の機械でお願いします」と。

そうなんです、レジのシステムが新しくなっていて、私が並んだレジはクレジットカード専用、現金は横の3基ある機械でセルフ操作なのでした。

移動してのセルフレジでの支払いは、タッチパネル操作で簡単だったので、問題なく会計を済ませられました。

「時代はマシンの時代になってきたんだなぁ」と、感心しつつ店を出て、傘を広げようとしたその時、「お客様、お客様~」と先ほどのレジの女性が私に走り寄ってくるではありませんか。

(どうしたんだろう、何か機械操作を間違えたのか、俺に一目ぼれのわけはないだろうし)。

すると、「お客様、これ、携帯をお忘れですよ」と彼女は笑顔でスマホを渡してくれたのでした。

携帯じゃなくてスマホだよ、などと訂正する余裕もなく、「あっ、ありがとうございます」とお礼を言ったのでした。

それにしても、あんなに混んでいるレジの仕事をさておき、すぐに私の忘れ物を届けてくれた彼女には本当に感謝でした。

忘れたお客様が困るだろうことを想像し、目の前の作業より、親切に届けることを選択した彼女のやさしさは、きっと待たされた他のお客様も理解されることでしょう。

どんなに我々の仕事が機械化、AI化されたとしても、真心のこもった親切は人間の専売特許で残るであろうなと思った瞬間でした。

皆さんのお店はどれだけ真心や親切をお客様に提供しているでしょうか。

スタッフ会議で話し合ってみるテーマにしてもいいでしょうね。

さあ、春はもうすぐ、今日もまた、バリバリ健康で頑張りましょう。

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