コラム

石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】

2024年6月11日

その240 開発商品は現場でチェックが必要です

「今日のご飯、何?」

「はぁ、いつもいつも、同じセリフ、他に言うことないの?

急に聞かれたって、困るわよ。

それにいろいろ考えるのは大変なのよ!

たまには作っていただいてもよくてよ。」

「僕食べる人、君作る人。」

「あぁ、昭和の男は、これだから嫌がられるんだわ。

今のヒトはちゃんと料理も家事も分担してやるのよ。」

「だって、昭和に生まれたんだもん、しょうがない、晩ご飯何?」

「出されたものを、黙って食え!」

「・・・。」

確かに奥神様の言うこともわかります。

食べさせる相手が飽きないように、いろいろ考えるのは大変です。

われわれ飲食店もお客様が飽きないように、メニューの内容を変えたり、季節ごとに新商品を提供することをやっていますが、容易なことではありませんね。

でも、その商品開発で失敗することもあるようです。

【開発商品は現場でチェックが必要です】

先日、久しぶりにスターバックスに入りました。

やはり大手チェーンらしく、季節商品の売り出しが、積極的に行われていました。

夏場に合わせて、さわやかなフルーツアイスティーが数種類打ち出されて、店頭にもディスプレイされていたので思わず頼んでしまいました。

お値段も600円超と結構しましたが、スタバが出すのだからと期待して、その商品を受け取ったのでした。

ところがこれが、さんざんな内容だったのです。

アイスティーなのに冷たくない、溶けかけた氷が上部に浮いているだけ、おそらく氷を入れたグラスに熱い紅茶を注いだのでしょうが、それをそのまま提供したのでしょう。

プロはそんなことはしません。

溶けた氷は1回捨てて新たな氷を入れるという工程が抜けているのです。

思わず席を立って氷をもらいに行ってしまいました。

ことはそれだけでは終わりません。

果肉が入っているアイスティーをストローで飲んでいると、果肉が詰まってそれ以上飲むことができなくなってしまったのです。

飲食店の中ではレベルが高いと評判の良いはずのスタバでも、こんなことがあるのかと呆れてしまいました。

飲食業界では、商品開発は、試作の段階ではとても良い出来栄えで、GOサインが出ても、現場ではその通りになっていないということが、よく起こることです。

ですから現場でのチェックが大変重要なのですが、意外と検証がおこなわれていないのが実情です。

新商品を店に出した時には、必ずお客様の立場でもう一度試食をしないといけませんね。

飲食店の商品開発は、繁盛するために重要なステップです。

新しいメニューを開発する際には十分お気を付けください。

ポイントを以下にまとめてみました。

ご参考まで。

新商品開発ポイント

コンセプトを考える:新メニューのイメージを明確にしましょう。
どんな体験を提供したいのか、どんな味を楽しんでもらいたいのかを考えます。
メニューの企画:コンセプトが決まったら、トレンドや客層に合ったメニューを考えます。
立地や客層に合った注文しやすいメニューを企画しましょう。
実際に開発する:メニューが決まったら、料理人の技術や食材の原価、提供スピードなどを考慮しながら開発します。
原価計算を行う:原価を計算し、バランスの取れた価格設定を行います。
レシピを作成する:作りやすくわかりやすいレシピを作成します。
仕入れ先の選定を行う:仕入れ先を選び、食材の安定供給を確保します。
試食会でフィードバックを得る:試食会で意見を聞いて、最終的な調整を行います。
実際に商品として出す:メニューを提供する前に、一連の流れを確認し、お披露目または最終試食をします。

《メニュー提供が始まったら、現場での試食を行うのも忘れず行う》

ちょうど夏メニューが始まっている頃ですね。

お気をつけください。

ではまた。

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