コラム

石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】

2018年5月8日

その167 人を大切にする表現が必要な時代になったことを知る

「官僚は辞めるわ、県知事は辞めるわ、芸能人は干されるわ、海の向こうじゃ、水かけ姫が叩かれるわ、世の中大変だな」。

「そう、あなたも気をつけたほうがいいわよ。

言葉使いは悪いし、デリカシーもないし、何より人をイラつかせる天才だからね」。

「さようでございますか、気をつけるでござるよ。

ただ、わたくし失う身分も金もございません。

残念、ワハハハハハ」。

「イラつく・・・。笑ってる場合か、モット頑張りなさいよ!」

「あ、パワハラ、パワハラ」。

さらにイラつかせる私の行動は改めなければいけませんが、皆さんのお店ではセクハラ・パワハラ・モラハラ等々、気をつけていらっしゃいますか?

【人を大切にする表現が必要な時代になったことを知る】

「新入社員が辞めた」。

新年度を迎えたばかりですが、入社早々会社を辞めた新入社員に関する報告がネットに多数投稿されています。

先日見た朝のニュースで、“新入社員が辞めた理由”を取り上げていたのですが、そのなかに“オマエと呼ばれたから”というものがありました。

社会に出るまで親にも“オマエ”と呼ばれたことがないのに耐えられないということのようです。

日常的に言っている私としては、衝撃的でした。

それが理由になら、ウチの会社には人がいなくなってしまいます。

私の顧問店でも過去に無かった問題がいくつか起こっています。

「オマエ使えないなぁ、この仕事向いていないんじゃないか?」

この一言で翌日から欠勤、そして退社。

(このケースはパワハラだ、社長を出せと親が怒鳴り込んできました)。

「もっと大きな声でお客様を迎えてよ、元気がなさすぎるよ」と注意すると、

「僕の夢はバンドでデビューすることなので声を大事にしたいんです。

考慮していただけないなら辞めます」と。

「彼氏いるの?明日の休みはデート?」

「結婚しないんですか?」

「早く嫁さんもらえよ。

なんか欠陥でもあるのか?」

等々、普通に会話しているつもりでも、相手は深く傷つくということが表に出てきているのが今の時代です。

過去も今も“企業は人だ”というのはよく言われることで、誰もが人を大切にするということはわかっているはずなのですが、社長や管理職の人間は、暗示・注意・叱りを使い、部下を動かさなければなりません。

その際に、相手の心まで忖度しなかったのが過去で、忖度しなければならないのが今と言えるかもしれません。

忖度は上司にだけでなく、部下にもしなければならないということでしょう。

ただ、その弊害として“部下と話さない上司”“丁寧語の他人行儀の上司”も現れているようです。

これではリーダーとしての役割が果たせませんね。

事なかれ主義に発展は望めません。

問題はコミュニケーション不足が原因であることがほとんどです。

普段から言動行動のコミュニケーションがとれていれば、ハラスメント問題はほとんど起きないのではないでしょうか。

(揚げ足取りの悪党は別です)。

今一度この言葉を思い出しましょう。

“やってみせ、言って聞かせてさせてみて、誉めてやらねば、人は動かじ”〈山本五十六〉

そしてもう一つ

“人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり”〈武田信玄〉

ただし、悪党は別です。

ではまた。

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