コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2018年8月6日

Vol.170 薬膳食材の分類(5)

中医学における食材の効能の分類分け。

第1弾では、解表類、清熱類、去湿類、第2弾では、温裏類、理気類、理血類、第3弾では、消食類、化痰止咳平喘類。

そして第4弾では、補益類。

長々とお付き合い頂きましたが、今回、やっと最後です。

しかも残りは1項目。

お疲れさまでした。

あ、いや、まだ終わってなかった…(笑)。

●収澁類(しゅうじゅうるい)

収澁類は、臓器の固摂機能を強化させ、滑脱証を治療する食材である…と。

要は、ぎゅ~と引き締めるイメージです。

汗とか、尿とか、血液とか、そういったものがダダ漏れしている状態を、ぎゅ~としめてもどす、みたいな。

なので、更年期の汗がふきでてくる感じや、生理の出血が多い場合、慢性の下痢などにも良いとされます。

レモン、ざくろ、はすの実、梅干し、ナツメグなど

分類分けは、これで以上です。

また、分類に分けられていなくても、いくつもの効用を持っている食材もあります。

にんにくなどがそうです。

にんにくは、身体を温め、解毒の効能があります。

食欲不振や消化不良、炎症、風邪などによいとされています。

滋養強壮に、といわれるだけありますね。

また、肉などと一緒に食すと、消化酵素がよく効き、たんぱく質を分解してくれるということもわかっています。

これが、消化不良に効くとされているところでしょうか。

漢方薬に使われる中薬は、食材よりも更に分類項目があったり、細かく分かれていたりもしますが、基本は同じです。

その症状に合わせ、これらの分類から中薬を選び合わせて使用します。

中薬ほどではありませんが、食材には、力があります。

すべての食材において、効能があります。

まずは、毎日の食事で、バランスよく食べることが大事。

そして、少し体調の傾きを感じたら、良くないものは控え、足りないものを足してあげる。

そして、治療するものを取り入れる。

これが薬膳の基本です。

次回からは、これらをどうやって使用していくのかをまとめていきたいと思います。

今回は、かなりの長い回数でお疲れでしょうからここまで(ん?誰が?私が??笑)。

毎日暑いですね~。

汗がダダ漏れしている時には、この収澁類がいいですよ。

ただ、近年、クーラーなどの影響もあり、発汗作用の弱まっている方が多いようです。

汗は、身体の表面を冷やしてくれる大事な働き。

まずは、汗をかくことも必要だということもお忘れなく~。

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