コラム

KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』

2018年12月11日

Vol.86 人手不足と機械化の課題

Kいよいよ12月に入りました。

早いですね。

一気に寒さも増し、すっかり「冬」になりましたが、からだの冬支度は万全ですか。

毎年のことながら、稼ぎ時の繁忙期、慌ただしい毎日ですが、体調には充分お気をつけて、お仕事に励んでください。

平成最後となりますこの師走を、どうぞ健やかに、笑顔でお過ごしください。

顧問店で事件が起きました。

釣銭が大きくマイナスになっていたのです。

十数万円が消えていたというのですから、単なるミスで起こったのではありません。

ましてや券売機内にあった現金が消えたということですから呆れるばかりです。

しかし、起きてしまったことをあれこれ言っても取り返せません。

誰が?ということも当然ながら無視できませんが、追求しても店の雰囲気が悪くなるばかり。

犯人探しをしてもいいことは何一つありません。

大事なことは何故そのようなことが起きたのかということではないでしょうか。

起こったことは起こったこととして受け入れ、反省すべきことは反省し、また同じ事が起こらないようなシステムにしなければなりません。

管理者が仕事のルール・オペレーションをいかに忠実に遂行していたのか。

遂行していなかったとしたら何故やらなかったかという理由を明確にし、今後の改善につなげなければ意味がありません。

店長に聞き取りを行なったところ、「気がついた時にはその金額になっていて、一遍に無くなったのか、徐々に無くなったのか、わかりません」とのこと。

店のマニュアルでは1日の終わりには売上計上して、釣銭の確認をすることになっており、その時に過不足があれば本部に報告することになっています。

ただし、そのマニュアルは券売機導入以前の物でした。

人手不足のために機械化したまではよかったのですが、現場ではレジ管理をしなくてもよくなった分、油断が発生したということでしょう。

本部にしても券売機にしたことで不正ができない状態になったと錯覚したとしか思えません。

人手不足の解消のため機械化をする、不正防止のため最新のレジシステムを導入するという動きは加速しています。

大手チェーンの中にはキャッシュレスの店舗も現れているのが現状で、キャッシュレス化は
今後、更に広がっていくことでしょう。

ですが、そうは言っても未だ飲食事業の個人店はなかなかキャッシュレスには消極的です。

税金(保険税含む)が高く、デフレから脱却できない現状で、利益が出にくい状況ではキャッシュレス化による手数料が足かせになるからです。

せめて券売機にして、人手不足と不正防止を実現できればと導入するわけですが、その中にあるのは紛れもなく現金です。

今一度、その管理(確認・チェック)を見直して、新たなマニュアルを作成しなければいけませんね。

頑張りましょう。

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