コラム

KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』

2018年9月10日

Vol.83 お湯で氷?現場チェックの重要性

北海道で大地震がありました。

今年は本当に災害の多い年ですね。

過去経験がないだとか、数十年ぶりと言う表現の事柄が続いています。

気持ちがあっても何もしてあげられない自分が歯がゆいばかりです。

せめてもの寄付金を送るしかありません。

1日も早く皆様に多くの笑顔が溢れることを心より願っています。

飲食店の中には炊き出しなどの活動をしている方々がいらっしゃいますね。

本当にありがとうございます、感謝です。

さて、変わらぬ暑さの中、お店はどのような状況でしょうか。

先日のFNNの調査の結果では、「アベノミクス」による景気回復について「実感していない」が78.2%と、一般国民はまだまだ景気が良くなっているとは言えないというのが実感のようです。

厳しい環境ですが、それは前提条件で努力を重ねなければいけませんね。

ただ努力だけでは経営になりません。

常にアンテナを張って自分の店で起こる様々なことに対処しなければいけません。

少し前の話ですが、顧問店で商品の会議があり、「夏なので、冷ドリンクに関して、ほかのお店よりもひと工夫してお客様に喜んでもらおう」ということになり、製氷機のキューブアイスではなく、氷を自分達で冷凍庫で作って、アイスピックで形を整えて手造り感を出そうと始めたそうです。

ドリンクの価値観も上がってお客様もよい気分になりそうでいいですよね。

ところが数日して、スタッフから「氷のできる時間がかかりすぎて難しいので止めたい」との報告が入ったそうです。

報告を受けた社長は、「そんなに大変なら仕方ないね」と答えたそうですが、どうも腑に落ちなかったらしく、店の厨房に入り、現場のスタッフにどうやって氷を作っていたのか尋ねたそうです。

スタッフは容器を出し、氷を作る手順を社長に説明し始めましたが、すぐに社長は驚きの声をあげました。

なんと、彼は氷を作るのに、水ではなく給湯器からお湯を入れていたのです。

開いた口を塞ぎながら社長は「なぜ、ここから?」と聞いたそうです。

彼は冷凍庫に近くてやりやすかったからというような答えをしたそうです。

「君、そりゃお湯を入れたら氷になるまで時間がかかるよ。

それにお湯を冷凍庫に入れたら、そこの食材が悪くなる可能性もあるから、水を入れてください。

2~3歩歩くだけだから、面倒くさがらないでやってくださいよ。」

怒鳴ることなく指導したそうですが、腹の中はお湯よりも煮えくり返っていたようです。

かように未熟な従業員もいるのです。

「少しも目が離せない幼児じゃあるまいし」と思っている方がいたとしたら、もう間違い。

時代は変化しているのです。

経験のないまま、家庭での社会教育がないまま、社会に出てあなたのお店にやってくる方々のトンチンカン加減、トンデモ行動は加速しているといってよいでしょう。

現場チェックは力のある人間が常時行わなければ、店の価値を維持できないと心得ましょう。

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