2017年9月12日
Vol.159 銀耳(ぎんじ)
まだ残暑がところどころに残っているようで、風は完全に秋の風に変わりました。
9月に入ったとたん、息子の肌の調子が悪くなり、娘は空咳をしながらのどが痛いと...。
中医学では、秋は「燥邪」とよばれる乾燥性の邪気が挿入すると言われています。
燥邪は、肺や大腸を痛めやすく、空咳やのどの痛み、喘息、皮膚や髪の乾燥、荒れ、便秘などの症状をおこします。
教科書通りだな、とつい笑ってしまいましたが、この季節によく使用される薬膳の食材は「銀耳」。
日本の読み方は、ぎんじ。
中国はインアル。
今回は、この「銀耳」の話。
●銀耳ってなに?
銀耳は、白きくらげのこと。
黒きくらげ同様、乾燥されているものがほとんどで、そのせいか、きくらげがきのこの仲間だということを知らない方も多いよう。
中華料理の高級食材としてデザートなどに使用されていますね。
最近では、人工栽培ができるようになり、安価な白きくらげや、国産の生のものも手に入るようになりました。
きくらげは、中国では、木耳(ムウアル)と書き、木の耳と言われています。
英語表記は、jew’s-ear。
ユダの耳という意だそう。
ユダはキリストの使途、首を吊った木から生えてきたからと言われています。
しかし、日本では、木になるくらげ。
くらげのような食感からつけられたようです。
私はこっちのセンスの方が好きですけどね(笑)。
白きくらげは、黒きくらげと同様、広葉樹の枯れ木に発生しますが、黒きくらげとは別種です。
本当に、ややこしい名前で。
●銀耳はなにをしてくれるの?
薬膳としての銀耳は、慈陰潤肺、養胃生津。
つまり、身体に必要な液(唾液や胃液などすべて)を補い、乾燥を嫌う肺を潤し、また、弱った胃を調えてくれる食材。
上記で述べたようにこの時期にぴったりの食材なんですよね。
また、肺を潤わせることで美肌効果もある言われる白きくらげ。
近年、白きくらげには、シロキクラゲ多糖体と呼ばれる成分が発見され、これが保水力に優れ、肌に潤いやハリをあたえると、化粧品にも使用されるようになりました。
このことを何百年も前から気づいていた漢方のおそろしいことよ...。
この時期、中医学では、銀耳に限らず、白い食材を取り入れるとよいと言われています。
ゆり根や白ごま、梨、れんこん、里芋...。
なすなども白い野菜です。
これから本格的に始まる乾燥に備え、今のうちから、毎日少しずつとるとよいと言われます。
体調を崩すことなく、元気に食欲の秋がむかえられますように(笑)。
ちなみに、うちの子供たちは、きのこ類がすべて苦手。
でも、中華料理の前菜、くらげが好きな彼らは、きくらげは、白も黒も食べます(笑)。
まだ、きくらげはきのこの仲間だとわかっていません...(笑)。
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